なぜB-52、B-2ではないのか? 北朝鮮の核受け、米が爆撃機のうちB-1Bを派遣した意味

ある条約によって削除されたB-1B爆撃機の能力

 なぜならば、アメリカ空軍が保有するB-1Bに核兵器は搭載できないからです。

 アメリカとロシアは2011(平成23)年来、「新戦略兵器削減条約(新START)」と呼ばれる核軍縮に関する条約を結んでおり、「重爆撃機」「大陸間弾道ミサイル(ICBM)」「潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)」といった3種類の戦略核兵器投射手段について、その保有総数を合計800基機以内におさめる制限を受けています。このためアメリカ軍の戦略核兵器運搬手段は、2016年7月1日現在の時点で「ミニットマンIII」大陸間弾道ミサイル431基、「トライデントII」潜水艦発射弾道ミサイル230機に加え、大型爆撃機B-2A「スピリット」12機、B-52H「ストラトフォートレス」68機の合計741基機のみになっています。

 アメリカ空軍のB-1Bはレーダー網を避けるため超低空を飛行し、ロシア(ソ連)に対して核爆弾ないし核弾頭巡航ミサイルを投射する目的で開発されました。しかしながら、核兵器搭載能力を完全に削除することにより、戦略核兵器投射手段の対象外としてみなすことで、米ロ両国は合意しています。

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アフターバーナーを焚いて離陸するB-1B「ランサー」。誘導爆弾を多数搭載でき、戦術爆撃機として運用されている(関 賢太郎撮影)。

 したがってB-1Bが搭載できる武器は、通常の高性能炸薬による爆弾やミサイルのみであり、実態は「戦略爆撃機」というよりも「戦術爆撃機」にすぎません。B-1Bに核兵器搭載能力を再び持たせることは可能ですが、「新戦略核兵器削減条約」に抵触し制限を受けてしまううえに、多額の予算が必要です。また、現在では爆撃機による核兵器投射はあまり効果的ではないため、いまのところそうした予定はありません。

 ではなぜアメリカは、そうしたB-1Bを日本や韓国へ派遣したのでしょうか。

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コメント

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5件のコメント

  1. 『アメリカが核兵器搭載能力を持つB-1B…』の、説明は間違っています。

    B-1Bは、米ソの核兵器削減条約により核兵器搭載能力はなくなっています。
    この様に、重大な軍事内容を知らいない、関 賢太郎(航空軍事評論家)氏は、航空軍事評論家として信用できません。

  2. コメントを投稿される場合は、その対象となる記事を最後まで丁寧にお読みになってからにしませう。m(._.)m

  3. B-1Bは核兵器搭載出来ないって2ページ目1行目に書いてるけど?

    4ページ目が写真のみってのはちょっと肩透かし。

  4. 桑原有俊
    こういう連中にかぎって、偏向報道とか騒ぎ立てるんだよな

  5. 岡田克也=「竹島は韓国領」