なぜB-52、B-2ではないのか? 北朝鮮の核受け、米が爆撃機のうちB-1Bを派遣した意味

あえてのB-1B派遣、そこに込められたメッセージ

 B-1Bは核兵器こそ搭載することはできませんが、非常に多くの通常爆弾を機内のウェポンベイ(爆弾庫)に格納することができ、そのペイロードは2000ポンド(907kg)誘導爆弾ならば最大24発、実に20トンにも及びます。地中貫通爆弾、いわゆる「バンカーバスター」によって、地下施設に対する攻撃も可能です。

 また、米太平洋軍司令官 ハリーB.ハリスJr.海軍大将は、今回の件に関するプレスリリースのなかで、次のようにコメントしました。

「これらの飛行は北朝鮮による挑発的で地域を不安定化させる行動に対して、韓国、米国、日本の防衛連帯を示威するものである」(ハリスJr.司令)

 つまり今回の共同訓練は、「地下施設を破壊できるB-1Bを北朝鮮に見せつける」ことで、アメリカ政府による核実験に対する抗議のメッセージを北朝鮮の指導者に対して発信する目的があった、というわけです。

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B-52H「ストラトフォートレス」。初飛行から60年が経過するも、いまだにアメリカ空軍の主力爆撃機になっている(関 賢太郎撮影)。

 そして、今回あえてB-1Bが使用されたのは、核兵器搭載能力を持つB-52HやB-2Aでは、与える印象が強すぎると判断されたからかもしれません。

 加えて、B-1Bは、北朝鮮だけでなくアメリカの同盟国である日本や韓国に対してのメッセージにもなります。もちろん日韓に対するアメリカのメッセージは、北朝鮮とは真逆に強固な同盟の象徴として、「友好」を示すものとして、捉えることができます。

【了】

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コメント

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5件のコメント

  1. 『アメリカが核兵器搭載能力を持つB-1B…』の、説明は間違っています。

    B-1Bは、米ソの核兵器削減条約により核兵器搭載能力はなくなっています。
    この様に、重大な軍事内容を知らいない、関 賢太郎(航空軍事評論家)氏は、航空軍事評論家として信用できません。

  2. コメントを投稿される場合は、その対象となる記事を最後まで丁寧にお読みになってからにしませう。m(._.)m

  3. B-1Bは核兵器搭載出来ないって2ページ目1行目に書いてるけど?

    4ページ目が写真のみってのはちょっと肩透かし。

  4. 桑原有俊
    こういう連中にかぎって、偏向報道とか騒ぎ立てるんだよな

  5. 岡田克也=「竹島は韓国領」