専守防衛の自衛隊にステルス機は不要? 空自のF-35導入、そこにある意味とは

わずか30秒で「全滅」

 しかし、それはあくまでも「平時の理論」です。

 万が一、日本が本格的な侵略を受け戦争状態に入った場合、航空自衛隊の戦闘機は不明機の監視を任務とする「対領空侵犯措置」ではなく、武力の行使も任務とする「防衛出動」として発進します。

 状況にもよりますが防衛出動においては、対領空侵犯措置のような接近しての注意・警告は行われず、戦闘機が全能力をフルに発揮するような、射程の長い空対空ミサイルを用いた目視距離外における空中戦となるはずです。

 現代の空中戦は「先手必勝」であり、先に空対空ミサイルを発射したほうが勝利します。そして、こうした戦い方はF-35Aが最も得意とする土俵です。航空自衛隊がF-35Aのようなステルス機を持っているというだけで、相手は常に「どこから撃たれるか分からない」という見えない恐怖にさらされることになるでしょう。

 さらにF-35Aはステルス性だけではなく、高度なセンサーと情報処理能力、ネットワークによる情報共有システムを持ち、相手を発見する能力においても現行のF-15やF-2戦闘機とは比較にならないほど優秀です。

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手前がF-16、奥がF-35。F-16は1974年、F-35は2006年に初飛行した(写真出典:アメリカ空軍)。

 2016年8月に実施されたアメリカ空軍「ノーザン・ライトニング」演習において、F-35Aは1回の作戦でF-16戦闘機の27撃墜を記録、対抗部隊は一度もF-35Aを発見することができませんでした。

 同演習でF-16パイロットとしてF-35Aと戦った、アメリカ空軍第176戦闘飛行隊隊長バート・ヴァンルー中佐は「我々が演習空域に入ってから、わずか30秒で全滅した」と語り、F-35と戦うことの難しさを以下のように述べています。

「F-35Aを相手にする戦いは、従来戦闘機のそれとはまったく異なります。最も困難なことは、彼らが我々を発見できるのに、我々はF-35Aを発見することができないということです。それは巨大な空間で目隠しをして、誰かを探し出すようなものです」(ヴァンルー中佐)

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3件のコメント

  1. 現代の空中戦は、電子兵器の活用が勝敗を決します。航空自衛隊の戦闘機は今まで全ての機体でレーダーを装備していました。F-86Fも対空射撃用のレンジング・レーダーを装備していました。レーダー無では機銃の命中率も全く違います。更に現代の空中戦は、レーダー誘導ミサイルと赤外線誘導ミサイルを使って戦います。これらを発射するにはレーダーで相手の位置を把握することが必要です。いくら機動性能が良くても相手を探知できなければ一方的に不利な状況に陥ります。日本に侵攻る国の攻撃機や輸送機が援護戦闘機を伴ってこないということは考えられません。侵攻を防ぐには援護機の援護行動を排除して侵攻戦力を排除しなければなりません。そのためにはこちらも透明人間になっておく必要があるのです。あなたがいくら武道に優れていて私がもう体力の落ちた年寄りでも私の姿が見えなければ我が家に強盗に入っても返り討ちになってしまうでしょう。スティルレス性能は必ずしも侵攻にだけ必要なものではありません。現代のミサイル主体の空中戦と電子線の実相を公開文書だけから学んでも十分防衛に必要だということがご理解できると思います。また専守防衛これは有事の話です、対領空侵犯措置これは平時の領空警備の話です。装備する航空機は有事の性能が優先されます。

  2. 8月の演習相手がF-15でも同じ結果になったでしょうね。もっとも新型機が旧式機を圧倒する話なんてF22に限らず昔からある話だと思いますが。

  3. そうとはいいきれない。アラート任務の場合、F-15は落下式燃料タンクミサイルなどの装備により、空気抵抗が増え、現場に到着するまでの、速度は減少する。また、F-35は以外に戦闘行動半径がけっこうあり、また兵装内臓により、スクランブル時の巡航速度が、たしかF-15より早いというような記述を見た。現場にF-15より早くいける可能性があり、また、探知されにくければ、あいてに知られないうちに優位な位置につけうられる可能性もある。また中国が、ステルス機を領空侵犯に、使い出したら、やはり対抗するためには、ステルス機は必要だろう。ただ一機あたりの値段が高すぎる。どんな兵器も必要以上の数を保有できないと、整備のことを考えると、実働機数が足りなくなる恐れがある。特にF-35は、飛行するたびにステルス塗料を塗り直さなければならないと聞いたことがある。40機程度では全然機数が足らないと思うね。せめて最低でも100機くらいは必要だろう。尖閣防衛や対ロシアのためにもね。まだ当面は、F-15やF-2でも大丈夫だが。