キワモノ過ぎたSUV「オシャレじゃない! 荷物載らない! 力もない!」ただ珍車すぎて価格高騰って本当?

「アルト」や「ワゴンR」など、大ヒットを飛ばす傑作車を生みだした自動車会社のスズキが販売していた激レア車が「X-90」です。ユーザーも使い方が想像できなかった珍車は、なぜ登場したのでしょうか。

斬新すぎて意味不明すぎた2シーターSUV

 その一方で、あえなく空振り三振したのが、7年間のあいだにわずか2万7000台弱しか生産されなかった「カプチーノ」や、ハイブリッド車も設定された革新的な2シーター軽自動車の「ツイン」、国際派の高級セダンとして登場しながら鳴かず飛ばずに終わった「キザシ」でしょう。しかし、これらのクルマは商業的には成功とは言えなかったものの、そのインパクトの大きさから今なお人々の記憶に残り続けています。

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初代スズキ「ワゴンR」。大ヒットを放ち、軽自動車に「トールワゴン」という新ジャンルを構築した。

 そのような「記録よりも記憶に残るスズキ車」のなかでも、とりわけ印象深かったクルマが、1995年10月にデビューした「X-90」でしょう。1.6リッター直列4気筒エンジンの心臓が与えられ、初代「エスクード」のラダーフレームを流用した小型SUVながらも、上屋に載せられるのは、独立したトランクを持つノッチバッククーペボディ。しかも、スポーツカーのような2シーターで、おまけにオープンエアを満喫できるTバールーフを標準装備するという奇抜なものでした。

 SUVとしてアウトドアなどのレジャーで使うには人も荷物も載らないし、オシャレな街乗り車として使うには本格的なCCV(クロス・カントリー・ヴィークル)に用いるようなラダーフレーム構造と4WDシステムがオーバースペックな上に、乗り心地の面でも不利になります。

 オープンドライブを楽しむには車重ゆえに軽快感が足らず、それではSUVらしくオフロード性能に優れるのかというと、丸みを帯びたボディは車両感覚を掴みづらく、G16型エンジンはやや力不足を感じるという、全てにおいて中途半端なクルマでした。

 要するに一種のファンカーなのでしょうが、方向性の異なるさまざまな要素を盛り込んだ「よくばりセット」状態のため、開発テーマがわかりづらく、一体どのようなシチュエーションを想定して楽しんだらよいのか、使い方がまったく想像できないクルマに仕上がっていました。

【画像】記憶にある? これが「X-90」のリアビューだ! 内装も

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