「よーし戦闘機つくるぞー!」 ついにドイツもOKした「ユーロファイターのトルコ輸出」が、“日本にもイイ話”のワケ
トルコがイギリスとユーロファイター「タイフーン」戦闘機の導入に向けて暫定合意を結びました。両国の利益が一致した形となりますが、それぞれどのような事情を抱えているのでしょうか。
巡り巡って日本にもイイ話って?
トルコへのユーロファイターの提案は、BAEシステムズとイギリス政府が担当しており、ウォートン工場の製造基盤と雇用を確保するため早急に話をまとめたかったものの、トルコの人権問題などを理由にドイツが反対していたことから、交渉が難航していました。
今回の暫定合意について、ドイツ政府は正式なコメントを発表していませんが、このほど輸出を容認する姿勢に転じたことから、トルコへの輸出の道が開けた形となります。トルコへの輸出が正式に決定した場合、ウォートン工場でのユーロファイターの製造は2030年代まで続く見込みで、ウォートン工場も窮地を脱する道筋が見えてきました。
実は、この暫定合意は日本にも無関係な話ではないと筆者は考えます。ウォートンにはイギリスが日本、イタリアと共に進めている「GCAP」で開発される有人戦闘機の開発拠点が置かれており、実用機の製造も行われる見込みとなっているからです。ウォートンの製造基盤が維持されることは、有人戦闘機の円滑な開発と製造にもつながるため、日本にとっても悪い話ではないといえるでしょう。
Writer: 竹内 修(軍事ジャーナリスト)
軍事ジャーナリスト。海外の防衛装備展示会やメーカーなどへの取材に基づいた記事を、軍事専門誌のほか一般誌でも執筆。著書は「最先端未来兵器完全ファイル」、「軍用ドローン年鑑」、「全161か国 これが世界の陸軍力だ!」など。
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