三菱重工CFOが語った! 日本製フリゲートが豪の次世代軍艦へ選ばれた胸中は? 建造ヤードの準備など大丈夫か
オーストラリアは2025年8月5日、次期フリゲートに「日の丸護衛艦の能力向上型」が選ばれました。そこで三菱重工の最高財務責任者にハナシを聞いたら、課題と展望について答えてくれました。
4800トン型護衛艦はすでに5隻発注済み
なお、実際に契約となった場合、海上自衛隊向けの新型FFMなどと並行して建造するものの「船台のリソースがオーストラリアに割かれるというような心配はない」との見解を、三菱重工では示しています。

オーストラリアの次期汎用フリゲートのプロジェクトでは、日本で建造するのは3隻目までで、4番艦以降はオーストラリア国内で建造することになりますが、この辺りについては「まだこれから詰める」との回答でした。一方で、「日本で建造したフリゲートの修繕をオーストラリアでやることを1番に考えている。現地の企業とは、その辺りに向けてコミュニケーションを始めているところだ」とも話していました。
また、装備品の輸出については「今回も契約者は三菱重工になるかと思うが、基本的に日本政府と共同で動いていく。日本の安全保障の方針に従って同盟国や同志国と一緒にやることになるため、当社単独の判断で装備品の輸出・移転をすることはない」と明言しています。
海上自衛隊向けの新型FFMは「4800トン型護衛艦」として調達が進められており、防衛省の2025年度予算では3番艦から5番艦までの建造が決まっています。同艦は三菱重工を主契約者、ジャパンマリンユナイテッド(JMU)を下請負者に計12隻が整備される予定です。
Writer: 深水千翔(海事ライター)
1988年生まれ。大学卒業後、防衛専門紙を経て日本海事新聞社の記者として造船所や舶用メーカー、防衛関連の取材を担当。現在はフリーランスの記者として活動中。
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