「いきなりナニこのポール!?」「え、乗り上げた!?」 路上に潜む「ワナ物件」たち なぜか“ぶつけがち”な地域がある?
道路の構造は各地で異なり、なかには、その土地土地で“要注意”な物件も。無数のすり跡や衝突の痕跡も見られる、不慣れな人にとって“ワナ”のように牙をむきかねない構造を紹介します。
激突注意? 中央分離帯ブロックに衝突の跡
一方、東京都内では、中央分離帯がある大通りの交差点で、横断歩道から見て交差点の中心側に中央分離帯のブロックが設けられていることがあります。この中央分離帯のブロックの部分にクルマが衝突する事故が発生しています。

衝突の跡が見られる箇所も複数あるほか、なかには二度三度とクルマがぶつかったためか、目立つように中央分離帯部分に三角コーンを載せたり、衝突のダメージ緩和のため緩衝用のウレタンクッションを配置したりといった工夫を行っている交差点もあります。
ではなぜ、この中央分離帯のブロックに、クルマがぶつかるのでしょうか。その理由は、ドライバー視点で考えるとわかりやすくなります。
右折レーンで対向車が途切れるのを待っているとき、この中央分離帯の交差点中心側部分は、ドライバーから見てクルマのAピラーの死角に入りやすい場所にあたります。不慣れなドライバーは、自分の死角に中央分離帯のブロックが隠れていることに気付かず、交差点を斜めにショートカットして、クルマをぶつけてしまうのです。
東京都内の広い道で交差点を右折するときは「とにかく大回りする」が原則だと覚えておきましょう。
ハンドル切ったら「縁石に乗り上げがち」
最後に、埼玉県の道路に潜むワナについてご案内しましょう。それは「予想外な場所にある、高い縁石」です。
十分な道幅があり、交通量も多い道路で、車道と歩道を安全に区分する構造として、「歩道部分をかさ上げして車道との段差を付ける」「歩道と車道を縁石で区切る」というふたつの方法が主に見られます。埼玉県ではこの後者について、高さ25cmの縁石をまんべんなく設置していることがあるのです。
これに乗り上げがちなところが、コンビニの敷地や、時間貸し駐車場などが道路と接する箇所です。クルマが出入りする部分の縁石の切り欠きが十分でない場合、ドライバーからはダッシュボードやボンネットの死角で縁石が見えにくく、その存在に気付かずに早めにハンドルを切ると、内輪差でクルマの内側リアタイヤが縁石をまたぐラインを通ることになります。
このとき縁石が低ければ、リアタイヤが乗り上げるだけで済み、よほどの速度でない限りはクルマにダメージは発生しません。しかし「25cm」の縁石は、クルマのサイドシル下部を傷つけるのに十分な高さです。実際に、そうした事故の痕跡が残る縁石は、埼玉県内のいたるところで見られます。
コンビニや時間貸し駐車場など路外の施設に出入りするときは、「そこに縁石があるかも」ということに留意し、できるだけクルマの出入口の中央を通ることをお勧めします。また、不慣れな土地を走るときは、ふだん以上に周囲の確認を心がけてください。
Writer: 植村祐介(ライター&プランナー)
1966年、福岡県生まれ。自動車専門誌編集部勤務を経て独立。クルマ、PC、マリン&ウインタースポーツ、国内外の旅行など多彩な趣味を通し積み重ねた経験と人脈、知的探究心がセールスポイント。カーライフ系、ニュース&エンタメ系、インタビュー記事執筆のほか、主にIT&通信分野でのB2Bウェブサイトの企画立案、制作、原稿執筆なども手がける。
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