日本の降伏文書調印 なぜ戦艦「ミズーリ」で行われた? その象徴的な意味とは

日本の降伏文書調印式はなぜ、戦艦「ミズーリ」を使い、艦上で行われたのでしょうか。この「ミズーリ」という戦艦の艦生とともに見てみましょう。

大統領ゆかりの艦だった?

 しかし、各国の代表が集まる艦としてなぜ、「ミズーリ」が選ばれたのでしょうか。その件には当時アメリカ大統領であるハリー・S・トルーマンが関係しているとも言われています。

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「ミズーリ」の艦上で調印を待つ日本使節団(画像:アメリカ陸軍)

「ミズーリ」は、1944年ブルックリン海軍造船所で建造されました。愛称は「マイティ・モー」もしくは「ビッグ・モー」。当時最新鋭でアメリカが現状最後に建造した戦艦のクラスとなる、アイオワ級戦艦の3番艦に当たります。

 この「ミズーリ」の名付け親は、トルーマン大統領の娘、マーガレット・トルーマンです。さらに、トルーマンはミズーリ州が出身で、政治家としてもミズーリ州選出の連邦上院議員でした。そうした自身を象徴するような大統領肝いりの最新鋭戦艦を、世界中の要人が集まる場で使うことで、権威を誇示するという狙いがあったと言われています。

 ほかにも、マッカーサー元帥の思惑としては、戦時中はなにかと対立することもあったチェスター・ニミッツ海軍元帥から異論が出ないように華を持たせると共に、日本に関してはアメリカが主導的に動き屈服させたということを誇示する狙いもありました。

【90年代まで現役!】これが、湾岸戦争で艦砲射撃を行う「ミズーリ」です(画像)

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