パイロット最後の命綱「射出座席」 作り続け70年の老舗メーカー、7500人の命救う

戦闘機などに装備されている「射出座席」。これを作り続け、7500人ものパイロットの命を救ったメーカーがあります。その積み重ねられた歴史の背景には、友の死と、死をも恐れぬ献身、そしてなによりパイロットの命を救いたいという切実な願いがありました。

射出座席の老舗、70年、7500名の「実績」

「射出座席」を作り続けて実に70年の伝統を誇るイギリスのマーチン・ベイカー社は、2016年9月、自社製射出座席によって救われたパイロットの数が7500人を突破したと発表しました。

 現代の戦闘機や爆撃機など、ほぼすべての「戦う軍用機」は、事故や戦闘によって墜落不可避となった場合に、パイロットやそのほかの乗員を「ベイルアウト(緊急脱出)」させるための「射出座席」と呼ばれる装置を備えています。乗員が作動レバーを引っ張ると、座席に装着されたロケットないし火薬が点火、座席ごと乗員を機外へと放り出し、パラシュートの展開までを自動的に行うというもので、緊急事態に陥った乗員にとってはまさに「最後の命綱」です。

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F-35A戦闘機における「Mk.16射出座席」の試験。火薬でキャノピーを割り強度を下げ、射出される座席がそれを粉砕することで脱出する(写真出典:マーチン・ベイカー)。

 かつて射出座席が存在しなかった時代、戦闘機パイロットたちが自機から脱出しようとする場合は、ハーネス(ベルト)を外し、キャノピー(風防)を開け、座席に立ち上がって転げるように落ち、パラシュートをひらく、という手順を、すべて自力で行わなければなりませんでした。

 しかし戦闘機の速度が飛躍的に高まると、風圧でキャノピーが開かなかったり、スピン中の遠心力で身体が動かせなかったり、パニックになったり、また運良く飛び降りても尾翼に激突したりと、安全なベイルアウトは至難の技になります。

 ですが射出座席ならば、射出時に40Gもの加速にさらされるというリスクはあるものの、十分に飛行速度が低い状態で作動させれば、高確率でパイロットは無傷で済み、救助後は現役復帰することができます。亜音速以上では、風圧による全身粉砕骨折などによって元の身体には戻らないかもしれませんが、少なくとも「100%死ぬよりはマシな選択」を可能にしました。

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コメント

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2件のコメント

  1. このようにアメリカ軍は欠陥戦闘機で日本の空を飛び回り、たとえ墜落して市民が何百人なくなろうとパイロットは生きて、また欠陥戦闘機で飛び回るわけです。

  2. ロシアのズヴェズダのほうが0-0は実用化が早かったんでは
    あと、7500人目がどこの人だったかも気になるな