伝説の“大戦機爆速レース”2025年は不開催 移転先ロズウェルで何が?
全米選手権エアレースを主催するリノ・エア・レーシング協会は2025年8月15日、同レースにおいて「アンリミテッドクラス」が参加を辞退したことを発表しました。
改造機が限界に挑戦するレースは開催せず
全米選手権エアレース(National Championship Air Races:NCAR)を主催するリノ・エア・レーシング協会(RARA)は、2025年8月15日、同レースにおいて「アンリミテッドクラス」が参加を辞退したことを発表しました。

NCARは、2023年までネバダ州リノで開催されていた「リノ・エアレース」を継承し、ニューメキシコ州ロズウェルに開催地を移して再始動するイベントで、2025年は9月10日から14日までの開催が予定されています。
リノ時代の「アンリミテッドクラス」は、P-51「マスタング」やF8F「ベアキャット」など、第二次世界大戦期のプロペラ戦闘機を高速化改造した機体によるレースで、広大なオーバルコースを舞台にそのスピードを競い、毎年レースのハイライトとして注目されてきました。
RARAは、今回の辞退に至った具体的な理由を明かしていませんが、新たな開催地ロズウェルにおいて、安全面または技術面でアンリミテッドクラスの要件を満たさなかった可能性も指摘されています。なお、2011年のリノ・エアレースでは、アンリミテッドクラスに参加していたP-51が観客席に墜落し、パイロットを含む11人が死亡する重大事故が発生。この事故を受け、以降は特に安全面に配慮した厳格な運営が行われてきました。
RARAのフレッド・テリング会長は、「アンリミテッドクラスはRARAにとって最も象徴的なクラスのひとつであり、今回の不参加は非常に残念です」と述べたうえで、「初開催となるロズウェル大会には参加できませんが、クラスとしての認定を確実に取得し、2026年のNCARには復帰できるよう取り組みます」と、来年の復帰に向けた意欲を示しました。
なお、複葉機による「バイプレーン・クラス」、第二次大戦期の練習機T-6「テキサン」を使用するワンメイクレース「T-6クラス」、指定されたジェット練習機による「ジェットクラス」など、他の名物レースはロズウェルに場所を移しても開催される予定です。
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