“重症”の懸念あった「群馬のSL」早期復活できるかも! “2機とも戦線離脱”の異常事態に光
群馬県の名物となっているJR東日本の蒸気機関車(SL)が2025年夏のシーズン初日に故障しましたが、早期に復帰できる可能性が出てきました。修理完了後の試運転が順調に進めば、再投入できる可能性があると関係者が明らかにしました。
SL2機とも戦線離脱の異常事態
「デゴイチ」の愛称で親しまれているD51形は、第二次世界大戦を挟んだ1936―50年に1115両が製造されました。498号機は40年に旧・鉄道省鷹取工場(神戸市)で製造され、岡山県や大阪府、福島県、新潟県などで72年まで32年間活躍。いったん引退して上越線の後閑(群馬県みなかみ町)の駅前に展示して静態保存されていましたが、SL列車の牽引機として抜擢され、88年に動態保存へ転じて”第二の人生”を歩み始めました。

群馬県のSL列車に使われるのはD51形498号機の他に、三菱重工業三原製作所(広島県三原市)が1949年に製造した「C61形20号機」があります。運休翌日の2025年7月20日に高崎から横川へ向かった「GV・SLぐんま横川」と横川から高崎への「SL・GVぐんま横川」はD51の代わりにC61を連結し、7月26、27両日と8月2、3両日に高崎―水上(みなかみ町)間を往復した「SLぐんま水上」もC61をつなぎました。
しかし、C61は検査周期が来たため8月6日に大宮総合車両センター(さいたま市)へ運ばれました。JR東日本関係者は「D51の故障を受けて代走させるため、C61の大宮総合車両センターへの検査入場の日程を繰り下げた」とするものの、C61の検査入りを受けて群馬県で動態保存されているSL2機がともに戦線離脱する異常事態に陥りました。
夏休みのヤマ場となる2025年8月9―11日の「山の日」3連休での運休を避けるため、新潟車両センター所属の電気機関車EF64形1031号機(1981年製)が運用に就きました。
EF64形1031号機は、引退した電車を引っ張って解体する工場などへ運ぶ役割を担ってきたため、鉄道ファンから「死神」の俗称を付けられています。話題性のある機関車の緊急登板を受けて客車はほぼ満席となり、沿線には大勢の「撮り鉄」が押しかけました。
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