「日本の戦闘機が初めて欧州に来ます!」イギリスが前のめりになる、もっともな理由とは? 白羽の矢が立ったF-15J
航空自衛隊のF-15戦闘機が初めてヨーロッパに展開する見込みだと、イギリスの国防相が発言。日英は安全保障面での協力を強化しており、今回の派遣は両国関係の新たな段階を示すものとなるかもしれません。
空自F-15派遣はインド太平洋の「変化の象徴」に?
イギリスと日本は2004年に防衛協力の枠組みを導入。その後イギリス軍と自衛隊が相互に防衛装備品の技術移転や物品・役務を提供しあう協定を締結し、2017年には日英安全保障宣言を発出するに至っています。

2022年にはイタリアを交えた日英伊3か国で新戦闘機の開発計画「GCAP」をスタートさせており、またイギリス海軍の空母打撃群やイギリス空軍のユーロファイター・タイフーンも来日して自衛隊と共同訓練を行うなど、単なる同志国以上の存在、言わば「準同盟国」とでも言うべき存在になりつつあります。
ヒーリー国防相は「インド太平洋とヨーロッパ大西洋の安全保障は不可分」と述べています。
第二次世界大戦以降の日本は、アメリカを唯一の同盟国と位置付けた安全保障体制を構築してきました。一方のイギリスも、NATO(北大西洋条約機構)の枠組みでの同盟に加えて、オーストラリアを交えた新たな安全保障体制の枠組み「AUKUS」を構築するなど、アメリカとの同盟関係を重要視しています。
アメリカとの同盟関係は依然として日英両国の安全保障の根幹をなすものですが、アメリカが国際社会に対する関与の方向性を変えつつある一方で、中国やロシアなど、力による現状の変更を試みる国家が共通の脅威として存在する以上、日英両国の安全保障面での協力関係はこれまで以上に強化・深化させていくべきだと筆者は思います。
航空自衛隊のF-15Jのヨーロッパへの派遣は、そのための絶好の機会なのではないでしょうか。
G-CAP のためには、F-15Jもいいけど、F-2もぜひ英、伊に見てもらってより理解してもらえる機会があるといいですね。