「『1面1線』でいいよね?」→超絶ボトルネックに! “見込み違い”がアダになったタイの“御堂筋線みたいな駅”とは
鉄道などのインフラは、出来たあとの改良が難しい場合があります。当初の“見込み違い”が、のちに大きなボトルネックとなり、解消の計画も揺れている現場が存在します。
見事にボトルネック化、からの“迷走”
しかし2009年、シーロム線がチャオプラヤー川右岸に延伸され、BTSの利用者が急増したことで、この駅の構造が大きな課題となりました。

延伸開業後の同駅では、同じプラットフォームに双方向の列車が入線します。そのため利用客が多く乗降に時間のかかるラッシュ時には、入線した列車の発車待ちのため、対向する列車が本線上で待機せざるを得ず、ボトルネックが顕在化しました。
この問題がクローズアップされると、バンコク都庁は衝撃的な解決策を打ち出します。それは「サパーンタークシン駅を廃止し、プラットフォームを撤去したスペースを使って本線を複線化する」「隣のスラサック駅との間に動く歩道を設置する」というものでした。
しかしサパーンタークシン駅とスラサック駅のとの距離は約800mもあり、たとえ動く歩道が設置されたとしても、利便性の低下は明らかです。そのため、この安直とも思える解決策に対し、サパーンタークシン駅の重要性を鑑みていないとして、地元経済界や利用者からは大きな反対の声が上がりました。
こうした反発にバンコク都庁は駅廃止の方針を撤回せざるを得ませんでした。そしてあらためて「タクシーン橋の(道路)上下線をそれぞれ外側に移設させて駅用地を拡大、上下2線のプラットフォームを作る」というプランが示されます。
交通量の多いサトーン通りの通行を確保しながら橋をオフセットするのはかなりの難工事が予想されます。これについてBTSは、2020年1月、工事担当業者と詳細を検討中だとしたうえで「着工は年内で、工期は40か月、2022年の完工を目指す。工事期間中はサパーンタークシン駅は使えなくなるが、隣駅からシャトルバスを運行する。完工後は現在の最短3分間隔での運行が、2分間隔にできる」との見込みを明らかにしています。
「御堂筋線みたい」という表現は、御堂筋線が単線のところがあるような印象を受ける。