高速道路の「非常電話」廃止していいのか? 「ほとんど使われてないし老朽化」だけじゃない NEXCOの“負担”とは?

高速道路の路肩に設置されている「非常電話」が少しずつ姿を消しています。今や多くの人がスマホを使う時代ですが、使用実績や老朽化だけではない理由もありました。

非常電話があることが「負担」に

 もう一つ、寒冷地ならではの理由が「除雪」です。

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トンネル内では非常電話が重要(画像:PIXTA)

 非常電話は機械での除雪ができないため、雪に埋もれた電話ボックスをひとつひとつ、手作業で雪かきして掘り出しているのだそう。除雪の人員確保が難しくなるなか、この作業は負担になっているといいます。

 今回の北海道支社管内での運用停止箇所は、深川留萌道や日高道など、国が管轄する無料区間がメインの道路の起点側にあたる、わずかな有料区間で実施されます。なお、先に運用が一部停止された東北地方の高速道路でも、トンネル内の非常電話は継続しています。

 北海道などでは特に、無料の高規格道路の整備が進み、NEXCO管轄の有料道路のライバルになりつつあります。人員確保や労務単価の高騰が課題となるなか、非常電話の停止も経費削減策の一環とのこと。地方部ならではの経営環境の厳しさが、非常電話の存続にも表れているのかもしれません。

 他方、国土交通省が管轄する無料区間でも、非常電話の停止や見直しが進んでいるようです。北海道ではありませんが、NHKが以前「名阪国道」を管轄する国道事務所に取材したところ、トンネル内以外の非常電話は全て故障、または意図的に電源を抜いているものもあると判明し、その後、それらは全て撤去されたということがありました。

【え…】けっこう多い「非常電話」運用停止路線(地図)

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