80年ぶり「日の丸巡洋艦」復活か? 巨大護衛艦の艦種を刷新へ「CVM=空母」じゃない “真の意味”とは
2024年10月28日付の訓令により、海上自衛隊の艦艇に関する新たな艦種記号が設けられました。その中でも、ひときわ目を引いたのが「CVM」という文字。一見すると諸外国の海軍でいう「空母」を意味するように見えますが、そう単純な話ではないようです。
SNSをざわつかせた表記の正体
防衛省は昨年(2024年)10月28日、「防衛省訓令第317号」において陸上自衛隊および海上自衛隊の艦船に関する区分や名称に関する標準を新たに設定しました。この訓令に関して、2025年9月現在、SNSを中心に大きな話題となっている表記があります。それが「CG」と「CVM」です。

そもそも海上自衛隊の艦艇は、国際法上において軍艦としての地位を有する「自衛艦」と、それ以外の「支援船」、この2種類に分けることができます。
このうち自衛艦については、さらに「警備艦」と「補助艦」に分けられ、前者は機能別に「機動艦艇(護衛艦、潜水艦)」「機雷艦艇(掃海艦、掃海艇、掃海母艦)」「哨戒艦艇(ミサイル艇、哨戒艦)」「輸送艦艇(輸送艦、輸送艇、エアクッション艇)」と細分化されています。
そして、今回話題になっている「CVM」と「CG」は、機動艦艇に属する護衛艦の艦種記号になります。
護衛艦は、海上自衛隊が保有する艦艇の中でも砲やミサイルなど一定の兵装を備え、敵の艦艇や潜水艦、航空機など交戦する能力を有する戦闘艦艇です。これまで、その艦種記号にはDD(汎用護衛艦)やDDG(ミサイル搭載護衛艦)、DDH(ヘリコプター搭載護衛艦)、DE(沿岸防衛を担当する小型の護衛艦)、さらにはFFM(多機能フリゲート)などがありました。
そうしたなか、冒頭に記した昨年の訓令により、新たに「CG」と「CVM」が新たに追加されたのです。そこで、筆者(稲葉義泰:軍事ライター)はこれらの艦種記号が何を意味するのかについて、海上幕僚監部広報室に取材しました。
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