なぜ大型空母は似たような形なのか「とにかく発着艦をスムーズに!」試行錯誤の歴史 迷走して“ひな壇”になったものも

2025年9月12日、中国人民解放軍海軍の最新空母「福建」が、初めて台湾海峡を通過したことが確認されました。カタパルトを搭載する空母は、艦後方にナナメの飛行甲板(アングルド・デッキ)と、艦前方の直線的な飛行甲板を組み合わせた形状が現在は基本となっています。

ひな壇にして発艦と着艦できるはずだった…しかし!

 こうした問題を解決するため、第一次世界大戦終了後の1922年(大正11年)6月から、イギリスは再び「フューリアス」の改修に着手しました。今回は、飛行甲板に構造物を一切持たないフラッシュデッキ型を採用し、さらに飛行甲板を上下二段に分けた多段式に改めました。上部甲板を着艦用、下部甲板を発艦用とすることで、より効率的な作戦行動を可能にし、波状攻撃による敵への圧力を期待したのです。

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初期の艦橋で飛行甲板が分離されていた時代の「フューリアス」(画像:帝国戦争博物館)

 この新たな「フューリアス」の設計は、旧日本海軍にも大きな影響を与えました。日本海軍はすでに、改装ではなく新造空母として「鳳翔」を就役させていました。この艦はやや小型ながらも、煙突や艦橋などの構造物を舷側に寄せたアイランド型の配置を採用し、全通飛行甲板を備えていました。しかし、「鳳翔」もまた、発艦と着艦を同時に行えないという問題を抱えていたのです。

 そこで日本海軍は、ワシントン海軍軍縮条約の影響で建造中止となっていた戦艦「赤城」と「加賀」を空母に転用し、多段飛行甲板化を進めました。

 さらに、「赤城」と「加賀」は、イギリスの二段式よりも一段多い三段式の空母へと改造されます。最上段の甲板は着艦および攻撃機などの大型機の発艦用、中段は当初飛行甲板として使用することも検討されましたが、実際には艦橋と20cm連装砲塔2基が設置されました。これは、当時の航空機の航続距離が短く、敵の艦隊と砲戦が発生する可能性があったための措置でした。最下段の甲板は、戦闘機などの小型機の発艦用として利用されました。

 一見して問題解決のように思われた多段式空母でしたが、早々に日英の双方で課題が露呈します。下段の飛行甲板は発艦にはあまりに短く、実用性に欠けていたのです。

「フューリアス」や「赤城」「加賀」が完成した1920年代当時は、軽量で離陸しやすい複葉機が主流でしたが、やがて艦載機は大型化・高出力化が進み、機体重量が増加。結果的に、最上段の長い飛行甲板しか実戦で使われなくなりました。

 そして、「赤城」「加賀」については、20cm連装砲塔の必要性も薄れていたことから、改装が決定されます。「加賀」は1935年6月25日に、「赤城」は1938年8月31日に、それぞれ一段の全通飛行甲板を持つ空母へと再改造されました。

 なお、「フューリアス」のほか、「カレイジャス」「グローリアス」も多段式空母としての形態を維持したまま、第二次世界大戦へと突入しています。

【もはや別物!?】これが、試行錯誤の末に多段空母なった「赤城」と「加賀」です(写真)

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