山手線は環状線ではない? ややこしい「路線名」と「運転系統名」
山手線が環状運転であることはよく知られていますが、「環状線」といえない場合もあります。「山手線」という名前をどう解釈するかがカギのようです。
東京の「環状線」として有名な山手線、しかし…
「山手線」というと、東京の都心部をぐるぐる回る鉄道路線であることはよく知られているでしょう。しかしだからといって実は、「山手線は環状線である」とは言い切れません。
日本国内の鉄道事業者や路線などについてまとめた国土交通省鉄道局監修『鉄道要覧』(平成28年度版)によると、「山手線」という鉄道路線は、品川駅(東京都港区)から渋谷、高田馬場、巣鴨駅を経由し田端駅(同・北区)に至る20.6kmとされています。これが「山手線」という「路線」の正式な区間で、それ以外の田端~東京間は「東北線」、東京~品川間は「東海道線」という路線です。
しかし、「路線」としての正式な区間はそうでも、実際は環状運転。そのため「山手線」という言葉は、品川~渋谷~高田馬場~巣鴨~田端間の路線名であるとともに、環状の「運転系統名」としても使われています。この「運転系統」名が、一般的には「山手線」と認識されているといえるでしょう。
こういった例は、ほかにも存在しています。大宮~東京~横浜間を結び、根岸線(横浜~大船)と直通運転している「京浜東北線」は、東北本線(大宮~東京)と東海道本線(東京~横浜)を走る運転系統名です。
更に最近では必要性を感じないどころか、紛らわしさ倍増の「愛称」なる路線名も。
東京~上野~宇都宮方面も本来は「東北線/東北本線」なのに宇都宮線と、「東武鉄道伊勢崎線」をスカイツリーラインと、「東武鉄道野田線」をアーバンパークラインと。若者は使っているかも知れないが、特に沿線住人で愛用者は本来の名称の方に愛着があって、愛称なんて邪魔でしかないですよ。
余り詳しくない方は、別路線かと勘違いしている人も居ますよ。
欧州での駅名は目的地名をつけて平然としているのに日本ではそうでない点に興味がある。
たとえば京阪間の東行が「京都線」で西行が「大阪線」という表現が行われなかったという観点で。
これだと高崎線上りも東北本線上りも常磐線上りも「上野線」となってしまうが。