「鶴見線」も「京浜工業地帯」もルーツは台湾に!? 再発見される“つながり” 背景に日本のセメント王

京浜工業地帯は戦前に造成されましたが、実は海外には“元ネタ”とも言いたくなるような工業地帯が存在します。その背景には、同じ「生みの親」がいました。

「浅野がいなければ、高雄の発展の進程はもっと緩やかだったでしょうね」

 李館長は初めに、「高雄と京浜工業地帯の関連性についてはわからない」と前置きしながらも、浅野総一郎が築いた哈瑪星の歴史について、以下のように語りました。

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鶴見線・浅野駅。この駅名の由来として知られ、京浜工業地帯を開拓した実業家・浅野総一郎は、実はこれ以前に台湾・高雄で似た事業をしていた(画像:写真AC)

「台湾が日本統治下だった1908年、浅野は台湾総督府から認可を得て、高雄の経済発展の礎となった打狗港(だくこう)の築港と合わせて、付近の海域で埋め立て地の造成を始めました。1912年には約6万坪ほどの埋立地が完成し、この一帯は『哈瑪星』と呼ばれるようになりました」(李館長)

 哈瑪星は、現在の高雄駅から西へ5kmほど進んだ沿岸部の辺りにありました。李館長は、「哈瑪星ができたことで、あらゆる産業が発展しました。まず、鉄道や運輸事業が始まり、追って貿易なども活発化し、特に砂糖や米の輸出で栄えました。また、この地での働き手も台湾各地から多く訪れるようになりました」と説明します。

 人が集まれば住む場所、泊まる場所が必要となり、さらに飲食店や娯楽施設などもどんどん発展していきました。1924年に高雄市が成立し、高雄市役所が哈瑪星に置かれたことで、さらなる繁栄をもたらし、高雄市の中心地となりました。

「現在の高雄を経済都市として見た場合、その礎となったのが哈瑪星です。浅野がいなければ、高雄の発展の進程はもっと緩やかだったでしょうね」(李館長)

 李館長の話を聞くと、哈瑪星と京浜工業地帯は規模感こそ違えど、浅野総一郎が「埋立地を作って栄えさせた土地」という点でよく似ています。また、哈瑪星が形成された翌年から京浜工業地帯の埋め立てが始まったことを考えれば、やはり両者には強い縁があるように思えます。

【この人か!】これが台湾の“京浜工業地帯の元ネタ”と「生みの親」です(写真)

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