「リアルさを追求することを期待されている鉄道ゲーム」なぜ日本に参入へ? 第一弾路線は恐るべき再現度!! 英国の開発元CEOに聞いた

鉄道運行シミュレーションゲーム世界大手Dovetail GamesのCEOに単独インタビュー。「日本の充実した鉄道網は常に魅力的」とし、2026年春にはアジア初の路線としてJR只見線を追加する予定です。なぜ今、日本なのでしょうか。

鳥肌が立つほどの再現性

 実際、筆者(赤川薫:英国在住アーティスト・鉄道ジャーナリスト)はシリーズ最新作『Train Sim World6』を発売前にテストする機会に恵まれましたが、そのリアルさに思わず、「今後は実際の運転士が、在宅勤務で自宅のモニタに向かって列車を遠隔操作で運行する時代が来るのではないか」とさえ感じました。

 また、同シリーズの新路線・英国リヴィエラ線は、筆者にとって幼い息子の手を引きながら訪れた思い出の路線だったため、シミュレーションゲームをしながら「ここの高架橋から写真撮った!」「あの階段から海に降りた!」など、押し寄せる記憶の波に大興奮で鳥肌が立つほどの再現性でした。

 こうした写実性を実現するために、時にはアメリカ航空宇宙局(NASA)が提供している地形データも使うことがあるとDovetail Gamesは筆者に明かしました。日本の只見線でも本物と見間違うような絶景が見られそうです。

 現在、『Train Sim World』シリーズのプレイヤーは9割が男性ですが、Dovetail Gamesの目標の一つに日本で女性顧客をもっと増やしたいとの思惑があるようです。

 ゲーム業界での女性の権利保護のための団体「Women in Games(ゲーム業界の女性たち)」のメンバーでもあるブラウン氏は、「女性プレイヤーへのハラスメントなどが問題になっているゲームもある」と指摘しました。つまり、ゲームの種類によっては性的あるいは暴力的な描写などが問題になるものがあるということです。あるいは、オンライン・ゲームで知り合ったプレイヤーに付きまとわれる被害もあります。

 同氏は「女性プレイヤーをハラスメント被害から守る環境作りなども模索している」と強調し、同シリーズは「他のゲームのように暴力的な要素がなく、女性や小さなお子さんがいる家庭でも受け入れやすい」と胸を張ります。確かに、鉄道シミュレーションはハラスメントになりにくいゲームかもしれません。

 また、同シリーズは、ただ単に鉄道を運転するだけではありません。「徒歩モード」で駅構内を散策し、ホームに滑り込んでくる列車に乗り込めば、客車に座って、まるで実際に旅をしているように車窓を楽しめます。景色がよく見える窓際の席などは埋まっていて、空席を探して客車間をさまよわなくてはならない、などといった憎い設定もよくできています。コロナ禍で旅行がままならなかった時期には、ブラウン氏自身も「ゲームで旅を楽しんでストレスを発散した」と回顧します。

 コロナ禍は一段落したものの、円安で海外旅行になかなか行けないという人や、海外の人気(ひとけ)のない寂しい路線や夜行列車など治安が心配で列車に乗りにくいという人も、ゲームだということを忘れて「旅」として素直に体験できるのが、同ゲームの魅力です。

【リアルさを追求】『Train Sim World 6』のプレイ画面

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