「ロングシートの有料座席」実は過去にも!? ロングシートこそ「格上」だったワケとは?

JR西日本の有料座席サービス「快速 うれしート」にロングシートの座席が初めて設定されます。今でこそクロスシートよりロングシートは「格下」という印象ですが、かつては優等車両がロングシート、普通車がクロスシートのように今とは逆の時代もありました。

小田急ロマンスカーにもロングシートが

 小田急電鉄は、特急ロマンスカーを運転しています。今でこそ専用の車両が使用されていますが、1948(昭和23)年に運転を再開してから翌年に専用の特急車両が登場するまでは、一般の通勤車両が使用されていました。ロングシートの座席にシーツをかけ、スタンド式の灰皿を置いたもので、料金も徴収していました。

 ロングシートの優等車両は過去だけでなく、現在も設定されています。といっても客室の一部だけで、大半はクロスシートです。東武鉄道の「TJライナー」(東上線)や「THライナー」(地下鉄日比谷線~東武スカイツリーライン)、京王電鉄の「京王ライナー」、西武鉄道の「S-TRAIN」や「拝島ライナー」といった座席指定列車、そして東急電鉄の有料座席指定サービス「Qシート」では、車両の端の座席が横向きになっています。部分的ながら、有料の座席指定車両にもロングシートがあるのです。

 これらの座席指定車両は座席を選べるので、ロングシートを避けることも可能です。しかし逆に、ロングシートの部分は足元が広く、ドアの横の座席であればスーツケースのような大きな荷物を持ち込んでも他の乗客の迷惑になりにくい、というメリットもあります。

 今後、学研都市線・JR東西線・JR宝塚線の「快速 うれしート」が一般の利用客にどのような評価を受けるのか、注目されるところです。

【のれんをくぐると…】有料ロングシート「うれしート」を見る(写真)

Writer:

1974年東京都生まれ。大学の電気工学科を卒業後、信号機器メーカー、鉄道会社勤務等を経て、現在フリー。JR線の2度目の「乗りつぶし」に挑戦するも、九州南部を残して頓挫、飛行機の趣味は某ハイジャック事件からコクピットへの入室ができなくなり、挫折。現在は車両研究が主力で、技術・形態・運用・保守・転配・履歴等の研究を行う。鉄道雑誌への寄稿多数。資格は大型二種免許を取るも、一度もバスで路上を走った経験なし。

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