「端っこギリギリまで拡幅」なぜそんな仕様に? 中京圏屈指の渋滞名所“撲滅”なるか 「名神一宮」将来さらに激変!?
NEXCO中日本が名神高速の愛知県一宮市内で行われている渋滞対策工事の現場を報道陣へ公開しました。「6車線化」が目前の同区間ですが、「抜本的な渋滞解消」には至っていないのが現状です。
渋滞緩和効果は「かなりある」名神一宮、拡幅開通が目前!
NEXCO中日本は2025年10月9日、名神高速の愛知県一宮市内で行われている渋滞対策工事の現場を報道陣へ公開しました。中京圏屈指の渋滞ポイントはどう変わるのでしょうか。

この工事は名神の一宮IC~一宮JCT間2.7kmに付加車線を設置し、片側3車線化するものです。すでに上り線は2024年9月に3車線化され、渋滞緩和に大きな効果を挙げています。そして2025年11月下旬には、下り線も3車線化される見込みです。
この区間は名神の通過交通に、一宮ICで接続する名古屋高速と、一宮JCTで接続する東海北陸道(岐阜方面)を行き来する交通が合流するため、2024年には上下線あわせて約1100回もの渋滞が発生しています。抜本的な対策として2021年から拡幅工事が進められてきました。
昨年に3車線化された上り線では、渋滞件数「約40%減」、最大渋滞長「約30%減」、平日ピーク時の通過時間は最大「約80%短縮」といった大きな効果を上げています。
●拡幅部は「端っこギリギリ」に
実際に3車線の上り線と2車線の下り線を比較すると、明らかに下り線のほうが流れが悪いのが見て取れました。NEXCO中日本 名古屋工事事務所の黒川正弘工事長は、下り線の3車線化による渋滞緩和効果は「かなりある」と力を込めます。
ただ、この区間は高架橋の橋桁をほぼ拡げず、既存の車線や路肩の幅を狭めながら片側3車線に増やしており、幅いっぱいに車線を使っています。このため、拡幅後の最高速度は100km/hから80km/hに引き下げられます。
1車線の幅は通常の3.60mから3.25mに、路肩の幅も2.5mから0.75mにそれぞれ狭くなるため、緊急車両が通行する路肩の機能が失われます。報道陣からも、「車線がちょっと狭い感」「(高架橋の)端っこギリギリを走りますね」といった声が聞かれました。
このため、拡幅にあたっては、緊急車両の機能確保のため、一部の盛土の法面を拡幅して非常駐車帯を設けたり、交通が集中する橋梁の張り出し部を裏から補強したりしています。
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