「端っこギリギリまで拡幅」なぜそんな仕様に? 中京圏屈指の渋滞名所“撲滅”なるか 「名神一宮」将来さらに激変!?

NEXCO中日本が名神高速の愛知県一宮市内で行われている渋滞対策工事の現場を報道陣へ公開しました。「6車線化」が目前の同区間ですが、「抜本的な渋滞解消」には至っていないのが現状です。

いずれ「要らなくなる」対策?

 一宮IC~一宮JCT間で橋桁を拡幅しての本格的な対策をしなかった理由についてNEXCO中日本は、下にJR線と名鉄線が通っており、これら鉄道交差部を拡幅すると工事が大がかりになってしまうからと、以前話していました。

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拡幅された車線は高架橋の端まで達する(乗りものニュース編集部撮影)

 そしてもう一つ、将来的に「別の道路」の計画があり、それができれば渋滞は確実に緩和されると考えられるためです。このため、一宮IC~一宮JCT間は「いずれ片側2車線に戻す」ことが前提となっています。

 この区間が渋滞するのは、名古屋高速と東海北陸道が「直結していない」ことが大きな要因です。名古屋都心部から名古屋高速を走り、一宮ICから名神を1区間走って、一宮JCTで東海道北陸道へ向かうというクランク状の流れがあるため、名神はこの区間だけ約2万台以上も交通量が増えて8万台以上に達します。

 しかし、名古屋高速の一宮線を北へ延伸し、東海北陸道の一宮木曽川ICまでを直接的に結ぶ「名岐道路」の事業が2025年度から始まりました。これができれば、名古屋都心ー東海北陸道の行き来で名神を通る必要はなくなります。

 先に3車線化された上り線は、渋滞緩和に効果を発揮してはいるものの、NEXCO中日本によると「解消」には至っていないといいます。そもそも対策前の年間の渋滞回数が上り線だけで660回もあり、約40%減となっても392回。ほぼ毎日渋滞している計算です。

 一宮ICの分岐部で詰まってしまうことが渋滞の要因として残っているといいますが、これも、名岐道路ができれば解消されると考えられます。

「ちょっと読めない」将来のネットワーク

 ただし、今回の区間には名岐道路以外に、もう一つの「道路計画」があります。東海北陸道を一宮JCTから南へ延伸させ、伊勢湾岸道へつなぐ「一宮西港道路」が、事業化目前の段階に来ています。

 つまり、将来的に名神の一宮IC~一宮JCT間は「H」型の道路ネットワークの真ん中を担うようになるのです。

 こうなると今度は「名岐道路~一宮西港道路」という、現在の「名古屋高速~東海北陸道」とは逆の交通の流れを、一宮IC~一宮JCT間が受けることになる可能性があります。

 こうなった場合の影響について、NEXCO中日本の関係者は「ちょっと読めない……」と口をそろえました。片側3車線運用の期間については、「周辺ネットワークの整備状況を踏まえ、関係機関とも協議・調整を行い検討」していくということです。

【劇的!】これが名神「一宮」拡幅の効果です(地図/写真)

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