中央線快速グリーン車は「特急代わり」になる? 盛況の「あずさ」予約とれなくても快適に移動する方法とは
2025年3月よりサービスが開始された中央線快速・青梅線のグリーン車。両開き扉を備えた新型車両が導入され、東京~大月・青梅間で運行しています。中央線特急の予約が困難な時期、グリーン車はその代わりになるのでしょうか。
3時間弱でも疲れなし!
電車は西へと進みます。グリーン車の2階からだと、見慣れた御茶ノ水や四ツ谷の風景も新鮮に映ります。
5時32分、新宿に到着。さすがに早朝のため、乗ってきたのは1人だけでした。2階の利点は、景色で防音壁などの視界を遮るものがほとんどなく、高架から関東平野を一望できることです。以前乗車した際は、富士山もはっきり見えました。
三鷹で高齢男性1人が乗車しましたが、Suicaをタッチせずに座ってしまい、グリーン料金を払わないのかと思いきや……、武蔵小金井から乗った女性がタッチしているのを見て、慌ててタッチしていました。単に気付いていなかっただけのようです。その男性は6時5分着の立川で下車。女性も武蔵小金井から立川までの短距離利用で降りていきました。わずか7分のグリーン車利用です……。
一方、私は東京駅から1時間近く乗っていますが、座席は快適で、コンセントやドリンクホルダー、背面テーブルなど必要十分な設備が整っています。ただ、座席はやや固めで、もう少し柔らかければ快適性が増すと感じました。また、特急の普通車にある枕が備わっていないのは少し残念です。
八王子で1人が下車し、高尾まで乗り通したのは2人だけでした。降りる前に、自分の座席上のパネルにSuicaをタッチし忘れないように注意します。正しくタッチしていれば、高尾で降りて大月行き普通列車に乗り継いでも、グリーン車を追加料金なしで利用できます。
高尾には6時25分に到着。その後、高尾6時30分発の中央本線下り大月行きの普通列車(列車番号683M)のグリーン車に乗りましたが、車両には誰もいませんでした。高尾から先は山深い区間のため、2階席から眺める景色は格別です。7時6分に大月に到着しましたが、約2時間の移動にかかわらず、疲れはほとんどありません。
さらに下り普通列車に乗り継げば、甲府には8時9分に着きます。ちなみに、大月での待ち時間に上り東京行き電車のグリーン車を眺めていると、通勤時間帯だからか10人以上が乗車していきました。
結論として、「急いでいないなら」特急の代わりとしてグリーン車は十分な快適性があります。特に大月に停車する下り「あずさ」であれば、大月から指定席を購入できる場合もあるため、大月まで普通列車グリーン車を利用し、そこから特急に乗り換える選択肢はありだと感じました。
Writer: 安藤昌季(乗りものライター)
ゲーム雑誌でゲームデザインをした経験を活かして、鉄道会社のキャラクター企画に携わるうちに、乗りものや歴史、ミリタリーの記事も書くようになった乗りものライター。著書『日本全国2万3997.8キロイラストルポ乗り歩き』など、イラスト多めで、一般人にもわかりやすい乗りもの本が持ち味。
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