池袋駅はなぜ「迷う」? 初見殺しは“人災”か!? 誰も知らない「6年前の変更」とは

JR山手線の巨大ターミナル「池袋駅」。「新宿駅や渋谷駅に比べればわかりやすい」という声がある一方、「迷いやすい」という声も多く聞かれます。その理由には、駅の構造と歴史が深く関わっているようです。

「迷いやすい?」いいえ合理的、のハズ…

 JR山手線の西側で「新宿駅」「渋谷駅」と並ぶ巨大なターミナルが「池袋駅」です。「新宿駅や渋谷駅に比べればわかりやすい」という声がある一方で、「迷いやすい」「待ち合わせがうまくできない」という声も多く聞かれます。広大な新宿駅、立体構造が複雑な渋谷駅に比べ、規模そのものはコンパクトなのに、なぜでしょうか。

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「東口(北)」の地上出口。かつてJRはここを「東口」と呼称していた(植村祐介撮影)

 2025年10月にも、SNSで「池袋駅は田舎者を殺そうとしてるの?」という投稿が話題になりました。駅構内の「西口(北)」「西口(南)」「西口(中央)」といった案内看板の写真とともに、その“初見殺し”ぶりが改めて浮き彫りになりました。

これには、「駅の構造」に加え、「駅の歴史」が深くかかわっていると考えられます。

 まずは駅の構造です。池袋駅にはJR、東武鉄道、西武鉄道、東京メトロが乗り入れ、東京メトロ以外の3社は地平レベルでほぼ南北に、東京メトロはB2F〜B3Fレベルでほぼ東西に路線を走らせています。

 地平レベルのJRは埼京線、湘南新宿ライン、山手線ですが、西を東武東上線、東を西武池袋線に挟まれる形となっています。

 3社の路線の下に東京メトロ丸ノ内線、有楽町線の池袋駅がありますが、この両路線は改札内で連絡していません。

 こうした構造から、JR各線および丸ノ内線、有楽町線の利用者が駅の外に出るには(丸ノ内線から副都心線ホームに抜ける場合をのぞき)、東西に3本走る自由通路(北通路/中央通路/南通路)のいずれかを通らなければなりません。

 これらの通路はそれぞれ東西で地上に連絡しており、西側が「西口(北)」「西口(中央)」「西口(南)」、東側が「東口(北)」「東口(中央)」「東口(南)」と名付けられています。話題となったSNS投稿の内容が、まさにコレです。

 この名称そのものは、東西にそれぞれ“おまけ”が付く形でわかりにくい部分はありつつも、言葉にすれば、ある意味合理的ではあります。

 ただこの「いったん地下通路を通る」という導線がくせ者です。なぜなら、ふだん池袋駅を利用している人には各通路の方向やつながる先がわかりますが、はじめての人にとってはわかりやすいとは言えないからです。

 とりわけ丸ノ内線から北通路や南通路、有楽町線から北通路や中央通路に出たい場合は、駅全体の構造がわかっていないとかなり困難です。

【初見殺しの原因】これが池袋駅の出口名と「旧名称」です(図/写真)

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