池袋駅はなぜ「迷う」? 初見殺しは“人災”か!? 誰も知らない「6年前の変更」とは
JR山手線の巨大ターミナル「池袋駅」。「新宿駅や渋谷駅に比べればわかりやすい」という声がある一方、「迷いやすい」という声も多く聞かれます。その理由には、駅の構造と歴史が深く関わっているようです。
6年経っても定着しない「新名称」と消えない「旧名称」
そして、「西口(北)」「西口(中央)」「西口(南)」といった名称は、さらに混乱のもととなる要因を内包しています。それぞれの名称が、いわば後付けされたものであるという“歴史”です。

池袋駅の各出口が現在の名称になったのは2019年3月で、それまで各出口は別の名称でした。しかもJR、東武、西武でそのあたりの統一がきちんとなされていない状況だったのです。
名称変更以前、JRは現在の西口(北)を「北口」、西口(中央)を「西口」、東口(北)を「東口」と案内していました。東武は現在の西口(中央)を「西口」、西口(南)を「南口」としていました。そして西武は東口(中央)を「東口」、東口(南)を「西武口」と呼称していました。
そのためJRの利用客が向かう東口は、西武の利用客が理解する東口とは異なるなど、混乱が生じていたのです。
2019年3月の出口の名称変更は、こうした混乱を避けるための方策だったと思われます。それから6年が経ち、本来ならこうした名称が定着してしかるべき時期です。ただ2020年に日本はコロナ禍に見舞われ、長い期間の外出自粛制限もあり、ふだん池袋駅を利用しない人にとって、各出口の名称は記憶が上書きされないままです。
そしてさらに混乱に拍車をかけるのが、駅構内の一部の案内に古い名称がそのまま残されていること、そして一部では矛盾する案内が放置されていることです。
たとえば東武鉄道の構内には「南口」の表示が残り、有料特急「TJライナー」の座席指定券の売場も「南口」と案内しています。西武鉄道のウェブサイトにある池袋駅の構内図にはいまだに「東口」「西武口」の名称が残ったままです。
また南通路を西口(南)側に歩いて行くと、東武鉄道のコンコースの先のコスメ店前に「西口(南)→」の看板がありますが、その看板越しに見える階段の先には「←西口(南)」という看板があります。前者はエスカレーターを上がり、後者は階段を上がるという違いで、最終的には同じ場所に出るのですが、同時に目に入ると戸惑うはずです。
仕様書_決定版_修正後_コピー(5).xlsxみたいな名前ですね