電車の「ドア横広告」に本の広告が多いワケ ロングセラーにつながる効果
選ばれる本はズバリ… 書店もみずから動き出す
京王線沿線を中心に啓文堂書店を展開する京王書籍販売は、「基本的に、ドア横広告に選ばれるのはロングセラーを狙う本。間隔をおいて2度3度、同じ本の広告が出ることもあります」と話します。ある大手出版社も、ドア横広告に出す本は「新刊に限らず、『売れてきた』あるいは『売りたいもの』」といい、高額な広告料金に見合う、ヒットの可能性を秘めた本が選ばれるようです。
ちなみに、ある大手出版社はドア横広告に出す本について、さらに具体的に、「子どもやお年寄り向けではなく、電車を降りてすぐにお金を出してその本を買える大人が読者対象のもの」と話します。確かに、ドア横広告の本は、文芸作品やビジネス書、実用書、自己啓発書など、どちらかというと大人向けのものをよく見かけます。
実際に、駅ナカや駅周辺の書店では、広告された書籍の売り上げが大きく伸びるそうです。その効果を実感、そして活用している書店のひとつが先出の啓文堂書店。同書店を展開する京王書籍販売では、鉄道のグループ会社という強味を生かし、書店みずからある取り組みを行っています。
「2010年ころ、啓文堂書店で1冊を選定して、京王線でまずドア上のポスターを出版社との折半で出したところ、売り上げが通常よりも大きく伸びました」(京王書籍販売)
この結果を受け、同社は2013年から、ドア横ポスターの枠をあらかじめ1年間確保し、年間を通じて書籍広告を出す取り組みを始めました。
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