西武新宿線を走った「黄色い電車」新天地でどう変わる? 再デビューに向け改造が本格化
西武鉄道から近江鉄道に譲渡された旧2000系電車の改造工事が本格化しています。どのような改造が実施されるのでしょうか。
近江鉄道に譲渡された旧2000系の改造が本格化
西武鉄道から近江鉄道に譲渡された旧2000系電車の改造工事が本格化しています。どのような改造が実施されるのでしょうか。
旧2000系は元々、西武新宿線の各駅停車用に省エネルギー化を図った通勤電車として、1977年2月から1988年4月にかけて製造されました。西武2000系電車の中でも初期に製造されたグループで、前面デザインが1988年以降に製造された新2000系と異なっていることが特徴です。
このうち、旧2000系の最終増備グループとなる、1988年に製造された4両(2両×2編成)が今年7月、近江鉄道に譲渡されました。
昨年10月には、新2000系も4両が近江鉄道へ譲渡されており、こちらは200形「ドクターガチャコン」として、一足先にデビューする予定です。なお200形には、営業運転を行いながら線路異常を早期検知するAIが搭載されます。
現時点では、近江鉄道に譲渡された旧2000系の2編成のうち、1編成が彦根車庫の建物内で改造されています。近江鉄道は譲受した旧2000系について、「全て営業運転に使用する予定」(管理部広報課)としており、いわゆる部品取り車両は含まれていないとのこと。現時点では、近江鉄道での新たな形式名は決まっていないそうです。
その上で、「200形のように、線路異常を早期検知するAIを搭載するかは未定ですが、それ以外は200形と同様の改造を行います」と話します。200形は線路異常を早期検知する機能を持つため、東海道・山陽新幹線の「ドクターイエロー」にちなみ、黄色い塗装は変更されませんでした。旧2000系に関しては「黄色い塗装を維持するのか、変更するのかはまだ決まっていません」としています。
一足先に終わった200形の改造は、ワンマン運転への対応や保安装置の変更が中心でした。外観は西武鉄道時代とほぼ変わりませんが、車内は各所に手が加えられており、防犯カメラや非常通報装置が取り付けられ、近江鉄道では新タイプの運賃箱が新設されています。また、床材が張り替えられたほか、ドア上には細長いタイプの液晶ディスプレイ(千鳥配置)や側扉開閉予告表示灯が新設されました。一方で座席モケットは変更されていないため、西武鉄道時代のイメージが保たれています。
なお、近江鉄道に譲渡された旧2000系は、来年にデビューし、西武鉄道の401系を改造した800形を順次置き換えていく予定です。





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