羊かん製造だけじゃない! 日本海軍の人気もの「間宮」じつは知られざる“裏の顔”も

旧日本海軍で戦闘艦艇ではないながら知名度の高い艦に「間宮」があります。将兵たちが垂涎で求めたという名物の「間宮羊かん」などが広く知られますが、実は食とは全く別の、とある重要任務も担っていました。

作りたての豆腐やコンニャクもどうぞ

「船の心臓」たる機関には、ワシントン海軍軍縮条約で建造中止となった「加賀」や「愛宕」のものが流用される予定でしたが、折しも空母化が進められていた巡洋戦艦「天城」が関東大震災で再生不能の大損傷を蒙り、代わりに「加賀」が空母化されることになりました。そこで、逆に「天城」の機関が「間宮」に流用されます。

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1941年9月20日に撮影された、呉海軍工廠で最終艤装中だった戦艦「大和」の写真の部分アップ。とくに給糧艦「間宮」を拡大したもの(画像:アメリカ海軍)。

 ただ、関東大震災の影響で当初予定されていた1923年10月31日の竣工は無理になり、同年10月26日に進水。1924年7月15日に竣工と、スケジュールは大幅に遅れてしまいました。

 ところで、軍艦にはキッチンと食糧倉庫が付属しているのが普通ですが、特に駆逐艦や巡洋艦など小~中型の軍艦では、食材の貯蔵量に限界があります。加えて、これらの軍艦ではキッチンの能力も、戦艦や空母など大型艦のように充実しているわけではありません。そこで「間宮」には、補給用の大量の食材に加えて、充実した調理設備が揃えられており、軍艦ではあまり食べる機会が得られない「甘味品」などを大量に調理して艦隊に供給しました。

 なかでも有名なのは「間宮羊かん」でしょう。、市井の老舗ブランドの羊かんにも負けない味と評されていました。ほかにもアイスクリーム、ラムネや饅頭、最中や菓子パンなども大量に調理でき、それらは特にキッチンの能力に限界があった小~中型の軍艦に供給されて喜ばれたそうです。

 また、艦艇用貯蔵食材の高野豆腐や乾燥コンニャクではなく、より味わいのある生の豆腐やコンニャクも艦内で製造して艦隊に供給し、好評を博していました。そしてこれらの食材をつくるため、軍人だけでなく食品製造の専門家である豆腐職人や食肉加工職人、調理の専門家である菓子職人、コック、板前といった軍属を大勢乗せて勤務させていたのも、他艦にはない「間宮」ならではの特徴でした。

 なお「間宮」は、原則として米や麦約2000t、野菜約60t、魚介類約100t、肉類約120t、鶏卵約4tに加えて、その他の食材多数を積載できました。

【写真】もうひとりの人気者! 給糧艦「伊良湖」の姿です

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