山をズバズバっと切り開いた「市道」開通へ 鉄道も通っていた市街地“完全スルー”実現 背景にある壮大な構想とは 岐阜
岐阜県土岐市が整備を進めていた市道「陶元浅野線」3.5kmが、2025年11月4日(月)に開通します。丘陵地を盛土・切土で切り開いた、市中心部の新ルートとなります。
切土・盛土でドーンと山を切り開いた「市道」
岐阜県土岐市が整備を進めていた市道「陶元浅野線」3.5kmが、2025年11月4日(月)に開通します。丘陵地を盛土・切土で切り開いた、市中心部の新ルートとなります。
土岐市は山林が7割を占め、市の中心部に横たわる丘陵地の周りの川沿いに市街地が形成されています。その、丘陵地のど真ん中を切り開き、中央道の土岐ICから、南側の旧駄知町までを南北に直結するルートが完成します。
陶元浅野線は市街地を眼下に見下ろすような風景から、ネットでは「プチスカイライン」と表する人もいるほど。沿道には、隣の瑞浪市にある東濃厚生病院と、土岐市立総合病院を統合して2026年2月に新病院「公立東濃中部医療センター」が開業する予定で、そのアクセス路線としても位置づけられています。
現在の土岐市立総合病院がある丘陵地西側の妻木川沿いは、1974年まで土岐市駅と駄知町を結んだ私鉄の東濃鉄道駄知線も通っていましたが、陶元浅野線は、その沿線市街地をまるまる回避する新ルートとなります。
さらに市はこの道路について、「将来的な東濃西部都市間連絡道路とあわせることで、広域的なアクセス機能の強化が期待されます」と説明しています。
東濃西部都市間連絡道路は多治見・土岐・瑞浪の3市を東西に結ぶ新たな幹線道路の構想路線で、国道19号に対して南側の丘陵地を迂回するバイパスとなるものです。2015年度に、妻木川西側の丘陵地を通る東海環状道 土岐南多治見IC付近の2.2kmが開通。現在は同IC付近から、土岐市立総合病院付近までをつなぐ2kmが建設中です。
陶元浅野線と接続する部分については、いまだ事業化していませんが、東濃西部都市間連絡道路の延伸を見越した道路整備ということができます。
ちなみに、土岐市の丘陵地はかつて、主要産業である陶磁器に使う陶土の採掘や窯の燃料となる樹木の伐採が行われていたといいます。そうした丘陵地を切り開き、東海環状道や土岐プレミアム・アウトレットといった新たな施設が開発されてきました。





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