“6輪ミニバン”のメリットって…? レクサス「LSコンセプト」が挑む“最大の課題” 市販化には何が必要か

トヨタが「ジャパンモビリティショー2025」に出展して話題となっているのが、6輪ミニバンのレクサス「LSコンセプト」です。この独特なパッケージングには、どのようなメリットがあるのでしょうか。

逆に“6輪は当たり前”な商用車の世界

 その一方、6輪のモデルが一般的と言えるのが、トラックやバンなどの商用車の世界です。特に中型~大型トラックであれば、3軸の6輪車は数えきれないほど街中を走っています。

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ダブルタイヤの6輪仕様もラインナップしていたマツダ「ボンゴ」

 また、ワンボックスタイプの小型商用車にも、近年まで「ダブルタイヤ」方式の6輪車が存在しました。ダブルタイヤとは、1つ車軸に左右2つずつ、計4つのタイヤを装着する方式で、代表的なモデルといえるのが、マツダの「ボンゴ」でした。

 現在ではトヨタの「タウンエース」や「ハイエース」のOEMモデルとなっているボンゴシリーズですが、元々は1960年代からマツダが販売している、長い歴史を持つ商用車です。主にワンボックスとトラックの2タイプを展開してしたボンゴは、1977年登場の第2世代より、後輪をダブルタイヤとした6輪仕様モデルを設定していました。

 ボンゴのダブルタイヤ仕様は、商用車では重要な“低床化“を狙ったモデルでした。単純にタイヤを増やせば1輪あたりの荷重が減り、より小径なタイヤでも対応することができます。つまり、タイヤの直径を小さくして荷室のフロア高を下げることで、荷室を拡大するとともに、荷物の出し入れを容易にしたのです。

 また、万が一タイヤがパンクした際も、後輪のうち1輪のみのパンクであれば、3輪のまま(短時間の)走行が可能です。一般の乗用車に比べ、実用性や信頼性が重要な商用車にとって、6輪化にはメリットが多数ありました。

 その反面、クルマはタイヤやホイールなど、サスペンション部分より下に装着されている部品が重くなると、乗り心地が悪くなる傾向があり、この点において6輪車は不利です。また、特に前後でタイヤサイズが違う6輪車には、スペアタイヤが2種類必要なことや、タイヤ交換時の費用が4輪より高くなるなどのデメリットもあります。

【写真で見る】これがレクサスの新「6輪ミニバン」です

【特集】注目のコンテンツは? ジャパンモビリティショー2025

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コメント

2件のコメント

  1. スペース拡大や乗り降りのし易さは4輪でも対応可能

    現状では明らかに6輪にするデメリットの方が圧倒的に大きいのは別に難しいものでは無いのにどこもやってないという事実が全て

    結局ショーのためのお祭りコンセプトカーでしかないのに「市販化されることを願うばかりです」なんてそこまで気を使わんでも

  2. 乗用車でホイールを増やすメリットは細い小さいタイヤが使えるようになること。タイヤハウスの幅が小さくなって室内幅が増える。高さも低くなると車内からタイヤハウスを意識することが無くなるレベルになるかと。

    燃費的なメリットもあるが、車内空間に対する影響が一番のメリット。