「海のテトリス」!? ミス一つ許されないコンテナ船の積み込み現場 緻密すぎる“プロの仕事”とは
最大で2万4000個のコンテナを積む巨大コンテナ船。その積み荷は、安全性と効率を両立させる緻密な計画で決められています。まるでパズルのような計画の裏側は、どうなっているのでしょうか。
一つの計画ができるまで プランナーの業務プロセス
プランナーの仕事は、まず情報の収集から始まります。
船会社に予約された「これから積むコンテナのリスト」と、すでに航海中の船から送られてくる、現在の積載状況に加え、各コンテナの重量、仕向地、危険品情報など詳細なデータが格納された「BAPLIE(バプリー)」という世界共通の電子データ交換フォーマットを入手します。
次に、専用のソフトウェアを使い、仮想空間でシミュレーションを行います。
BAPLIEファイルの情報を基に再現された船のモデルから、自港で荷降ろしするコンテナを仮想的に取り除き、そこに新しいコンテナを一つひとつ配置していくのです。この時、安全性、効率性、そして特殊貨物のルールという複数の条件を同時に満たす最適解を探します。
こうしてでき上がった計画案は、コンテナターミナルに送られ、クレーンの能力やヤードの状況で実際に作業が可能かどうかの調整が行われます。
そして最終段階として、陸上で作成された計画案は本船へと送られ、安全運航の最終責任者である一等航海士がこれを独立して検証します。
一等航海士は、船内に搭載されたローディングコンピューターを用いて、提案された計画が船の復原性や船体強度に与える影響を再計算し、あらゆる状況下での安全性を最終確認します。
この二重のチェックが完了して初めて、実際の荷役作業が開始されるのです。世界経済を支える海上輸送の安全と効率は、こうした専門家たちの緻密な仕事によって、日々守られています。





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