「世界的ベストセラー軍用機」がまさかの進化! レトロ機にハイテク融合で生まれた「悪魔の兵器」とは?

第二次世界大戦直後に生まれた傑作小型輸送機のアントーノフAn-2。コスパ良し・性能ヨシ・操縦しやすいの三拍子そろっていたことから、各国で多数が使われています。そんなベストセラー機をドローンに改造する動きが出ています。

意外な使われ方した軍用型An-2

 はっきりした数こそわかりませんが、これまでに累計1万8000機以上が製造され、2025年秋の時点でも、ロシアを中心に1000機以上、全世界では2000機程度のAn-2が稼動していると推測されています。欧米でも航空マニアを中心に100機程度が自家用機として保有されている模様です。

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民間仕様のAn-2(画像:パブリックドメイン)。

 そんなAn-2ですが、2020年には意外な形での軍事投入で注目されました。

 当時、アゼルバイジャン共和国とアルメニア共和国のあいだで、紛争が起きていました。第2次ナゴルノ・カラバフ紛争(2020年9月27日~11月10日)と呼ばれたこの戦いに、アゼルバイジャン軍は、An-2を遠隔操縦の「囮(デコイ)ドローン」に改造して投入したのです。アルメニアが配備する地対空ミサイル(SAM)やレーダーをデコイのAn-2で作動させて、その位置や作動周波数を暴露するのが狙いです。

 そしてミサイルやレーダーサイトの位置を特定した後は、ウクライナ戦争で一躍有名になったバイラクタルTB-2のような武装UAVで攻撃を加え、破壊・制圧するという、二段構えの戦術を展開したのです。アルメニア軍はまんまとこの策略にはまり、アゼルバイジャン軍に防空網の突破を許してしまいました。

 実際、アルメニア軍はS-300のようなロシア製の高価な対空ミサイルを使用しています。囮だとわかっているなら放置すればと思うでしょう。しかし、このAn-2ドローンは爆薬を積んでいるので、撃墜しなければ、あらかじめ設定されている重要目標への突入と破壊を許してしまうのです。

 このAn-2ドローンの運用期間は戦争の序盤2週間程度に集中していました。また各種情報を総合すると、最大35機程度が投入されたようです。各国の軍事専門家やミリタリーメディアは、「旧式レシプロ機をデコイ化する発想が、コスト効率の高いSEAD/DEAD(防空網制圧)に役立てられた」と評価しています。

【鼻っ面が変わった!】性能上がったのに売れなかった「改良型An-2」です(写真)

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