「ガラガラなのに、なぜ…」地方の”赤字路線バス”が走り続けるワケ「もったいない」では済まない深刻な事情
乗客がほとんど乗っていない路線バスが、地方の道を走る光景。多くの人が「非効率だ」と感じるかもしれませんが、それでも税金などが投入され運行が続けられています。無駄ではないのでしょうか。
赤字に追い打ちをかける2つの要因
この慢性的な赤字構造に、さらに深刻な問題が追い打ちをかけています。それは、バスの運転手不足です。
2023年11月に地域公共交通総合研究所が行った調査では、回答した事業者(68社)の実に99%が運転手不足を感じていると答えています。その対策として、半数近くが減便を、3割以上が路線廃止を計画しており、運転手不足が直接的なサービス縮小につながっています。
この問題は「2024年問題」による労働時間規制の強化で一気に加速しました。従来の運行ダイヤを維持できなくなり、地方だけでなく、東京都内や千葉県など首都圏ですら大規模な減便や路線廃止が行われる事態となっています。
これは、運転手不足がもはや地域を問わない全国的な課題であることを示しています。
こうした状況を支えているのが、国や自治体による補助金制度です。ただし、そのあり方も変化しています。かつては、年度末に確定した赤字額を事後的に補填する欠損補助が主流でした。しかしこの方式は、事業者のコスト削減努力を促しにくいという課題も併せ持っていました。
そのため近年では、自治体があらかじめ定めた運行業務に基づき、事業者と事前に契約を結んで委託料を支払う総費用契約(運行委託)方式へ移行する動きが進んでいます。行政側もコスト意識や効率性を重視するようになっているのです。





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