「ガラガラなのに、なぜ…」地方の”赤字路線バス”が走り続けるワケ「もったいない」では済まない深刻な事情
乗客がほとんど乗っていない路線バスが、地方の道を走る光景。多くの人が「非効率だ」と感じるかもしれませんが、それでも税金などが投入され運行が続けられています。無駄ではないのでしょうか。
未来の生活の足へ 自治体がカギ握る新時代
従来の定時定路線型のバスが限界を迎えるなか、新たな地域交通の形も模索されています。利用者の予約に応じて運行するオンデマンド交通や、運転手不足の切り札として期待される自動運転バスの実用化に向けた挑戦が全国で進んでいます。
しかし、どちらもコストや技術面に加え、新規参入時の複雑な許認可プロセスや、現行の免許制度といった規制上の課題も多く、すぐにすべてを解決する万能薬とは言えません。
これからの地域交通は、単一の解決策に頼るのではなく、幹線を担う路線バス、そこへ接続するオンデマンド交通、さらには住民同士の助け合いによる相乗り輸送まで、さまざまな交通手段を組み合わせたハイブリッドなネットワークを構築する必要があります。
そして、その実現には、自治体がもはや単なる資金提供者ではなく、地域全体の交通を主体的に設計するモビリティ・マネージャーとしての役割を担うことが不可欠です。
乗客のいないバスが走り続ける光景の裏には、私たちの社会が未来に向けて解決すべき、複雑で根深い課題が横たわっていると言えるでしょう。





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