極限までそぎ落とした「モトコンポ」JMSで披露!? タンクとボディが分離する「一見リスキーなデザイン」 シートはほぼ“馬の鞍”
豊田合成が「ジャパンモビリティショー2025」に、小型の水素タンクにまたがるように乗る、ユニークなデザインのバイクを出展しました。
「水素カートリッジ」を使った楽しい乗りものを!
2025年11月9日まで東京ビッグサイトで開催中の「ジャパンモビリティショー2025(JMS2025)」にて、自動車機器メーカーの豊田合成がユニークなデザインの“小型バイク”を出展しています。水素を充填したタンクへ、ダイレクトにまたがるように乗るというモデルです。
                
                  
                このバイクは、2024年にトヨタ自動車が開発した持ち運び可能な水素タンク「ポータブル水素カートリッジ」を用いたコンセプトモデルのひとつ。豊田合成はこの水素タンクの製造を担当しており、JMS2025にはタンクを搭載できる水素自動車「フレスビーハイコンセプト」を中心に、水素バイクやカートリッジ保管用のスタッカー、電動スケートボードなど、数々の試作モデルを出展しています。
水素バイクは、タンクをほとんどむき出しの状態で搭載しており、馬の鞍のような薄いシートに腰掛け、タンクの上にそのまま“またがる”ような姿勢で運転する仕様です。このタンクはタイヤやハンドルなどがついたボディから分離が可能。ボディは小さく折り畳むことが可能で、タイヤやハンドル、シートなども極限まで簡素化したほか、メーター類もスマートフォンで代用しています。
非常に割り切った構成の一方で、燃料電池を積むことも想定し、車体側面にはコンセントを備えるなど、多彩な使い方ができるモデルとなっています。
同社のUXデザイン開発室 室長である大沼千尋氏は、「このバイクは(同じく展示している)水素自動車に積めるコンセプトモデルで、クルマでは不便なラストワンマイルの移動手段や、レジャーを楽しむための道具として使用することを想定しています」と説明します。
また、万が一の危険性が気になる水素タンクの搭載手法も、大沼氏は「意図的にやっている」といいます。「このバイクは水素自動車やスタッカーも含め、カートリッジをどのように普段の生活へと活用できるか、人々へと提案するためのモデルです。水素カートリッジ搭載という特色をわかりやすく表現したかったので、わざと一見リスキーなデザインにしました」(大沼氏)。
反面、豊田合成はあくまでカートリッジの製造担当という立場のため、「豊田合成単独での企画化や開発は難しい」とのこと。しかし大沼氏は「諦めてはいません。かつてのホンダ『シティ』と『モトコンポ』のように、単なる移動手段ではない、楽しくて多様性のある乗りものとして提案したいです」と意気込みました。




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