船や鉄道、バイクまで さまざまな「乗りもの神社」全国に

 東京・新橋の航空会館屋上には、航空関係の殉職者や功労者を祀る航空神社が鎮座。日本航空協会の前身である帝国航空協会によって建立されたもので、羽田空港の第一ターミナルにも、ここから分祀された航空神社があります。

 また、これとは別に京都府八幡市には飛行神社が存在。「日本の航空機の父」ともいわれる二宮忠八(1866~1936)が1915(大正4)年、航空殉難者の霊を祀るために自邸内に建てたものです。

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飛行神社のお守りやご朱印帳には、二宮忠八が考案した「飛行器」が描かれたものも(写真出典:飛行神社)。

 ひょんなことから、その道の人にとっての「聖地」になった神社も。栃木県高根沢町の安住神社は、宮司と全国オートバイ協同組合連合会会長との交流から、5年ほど前に同連合会が「バイク神社」に認定。権禰宜の荒井さんは「いまでは全国からライダーが訪れます。毎年1月には200台のハーレーが一堂に集まり、お祓いを受けられるなど、ファンに広く知られるようになりました」と話します。ちなみにこの神社、ヘリポートを整備し、神社主催で遊覧フライトも行うなど、ヘリ関係者やファンとの交流拡大にも取り組んでいます。

 瀬戸内海の島々をつなぎ広島県と愛媛県を結んでいる「瀬戸内しまなみ海道」は、サイクリングコースとしても有名ですが、この途中の因島(広島県尾道市)に位置する大山神社が「自転車神社」を名乗っています。サイクリストに境内を休憩所として開放していたところ、もともと交通安全の守り神だったこともあり、いつしか「自転車神社」と呼ばれるようになったそうです。ここでは自転車と一緒に祈祷を受けることができます。

 先人の慰霊や、職務の安全祈願など、さまざまな理由から生まれた「乗りもの神社」の数々。今後は「バイク神社」「自転車神社」のように、乗りもの関係者やファンと神社が交流するなかから、新たな神社が生まれるかもしれません。

【了】

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コメント

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1件のコメント

  1. 基地によって違う可能性は否定しませんが、静岡以西の自衛隊航空機保有部隊は、羽田の飛行神社の存在自体関知していないかも知れませんね。
    自衛隊機が関係する航空事故による殉職者慰霊。に関わる諸行事等を見るに、二宮忠八氏自らが神職となられて開かれた飛行神社と、靖国神社。と考えている隊員が多いと感じますが。