なぜ「酷道」は存在する? 走行リスク抱える一方“命綱”の役割も ダム建設で一新した例まで

「国道」といえば立派な道を想像しますが、中には「酷道」と揶揄される道も。なぜ存在するのかという歴史的背景から、その知られざる役割、安全走行の要点、そして国道418号に見る最新の動向までを解説します。

変わりゆく「酷道」国道418号の事例

 こうして国道の本数は一気に増えたものの、酷道区間の多くは交通量が極めて少ないため、改良工事に莫大な費用がかかる一方で、費用対効果が悪いことから、整備の優先順位が著しく低くならざるを得ませんでした。

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奈良県生駒市にある国道308号。石畳の酷道だ(画像:PIXTA)

 結果として、「国道指定」という法的な地位と、「整備未了」という物理的な実態が乖離したまま、多くの「酷道」が固定化され、現在に至っているのです。

 行政が「酷道」を廃道にしないのは、マニアックな視点からでは見えにくい、地域社会と国土保全における重要な役割を担っているからです。

「酷道」と呼ばれる区間であっても、沿線に点在する集落にとっては、外部とつながる唯一の生活道路であるケースは稀ではありません。

 これら地域の住民にとって、「道がある」こと自体が、日常生活を維持するための不可欠な「生命線(ライフライン)」なのです。

 加えて、もうひとつの重要な側面が、災害時などにおける「代替路」としての潜在的な機能です。

 平時には交通量が皆無に等しい道でも、大地震や豪雨によって主要な幹線国道が寸断された場合、これら「酷道」が緊急車両などの通行ルートとして、それこそ最後の代替路となる可能性も含んでいます。

「酷道」の維持管理は、日常的な経済効率性では正当化が難しいかもしれませんが、「災害時の国土の冗長性」を確保するという観点で見ると、いわば国家の「保険」として捉えることもできます。

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