なぜ「酷道」は存在する? 走行リスク抱える一方“命綱”の役割も ダム建設で一新した例まで

「国道」といえば立派な道を想像しますが、中には「酷道」と揶揄される道も。なぜ存在するのかという歴史的背景から、その知られざる役割、安全走行の要点、そして国道418号に見る最新の動向までを解説します。

変わりゆく「酷道」の今:国道418号の事例

 なお、酷道と呼ばれながらも「快走路」へと変貌を遂げた道路もいくつか存在します。

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国道418号「新旅足橋」(画像:写真AC)

 その代表的な例が「日本三大酷道」のひとつとされる国道418号です。

 岐阜県八百津町から恵那市にかけては、長らく「水没区間(通行不能区間)」を抱える「酷道の象徴」でした。

 しかし近年、この国道418号が劇的に生まれ変わっています。その最大の要因は、道路整備そのものではなく、「新丸山ダム建設事業」という、別の巨大公共事業でした。

 国土交通省が進めるこの事業は、ダム建設に伴い、将来ダム湖に水没する現道を、高規格な道路に付け替える事業です。これにより、同区間の所要時間は大幅に短縮される見込みです。

 これは、道路単体では決して捻出できなかったであろう莫大な建設費が、「ダム事業の一環」として投下されたことで、結果として「酷道が快走路へと変貌する」という現象になります。

 筆者(伊藤 進:ライター)は「酷道」を、単なる「ひどい道」ではなく、日本の地理的制約と、戦後から平成にかけての道路行政、すなわち法改正、政治的妥協、経済的合理性の追求が生んだ、「道の遺産」と呼ぶべき存在であると捉えています。

 その多くは今もなお沿線住民の「生命線」として地域社会を支え、あるいは国土強靱化の観点から「代替路」としての価値を秘めています。そのため、少しずつながら改良、架け替えは続けられています。

 よって、いまだ廃道区間を抱えたままの「酷道」は各地に存在していますが、減少傾向にあることは間違いありません。

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