米空軍の超高価爆撃機B-2「左翼大破」の修理費を“80億円近く”コストダウン!それでも最終費用は驚きの値段!?
アメリカ空軍は2025年12月2日、着陸時の事故で主翼を損傷していたB-2「スピリット」が復帰したと発表しました
油圧系のトラブルで左翼を損傷した機体
アメリカ空軍は2025年12月2日、着陸時の事故で主翼を損傷していたB-2「スピリット」が復帰したと発表しました。テールナンバー89-0129「スピリット・オブ・ジョージア」と呼ばれる機体で、すでに2025年11月6日からグローバルストライクコマンドに復帰し、任務に就いているとのことです。
この機体は2021年9月14日、ミズーリ州ワイトマン空軍基地で油圧系のトラブルによる事故に見舞われました。
着陸直前に主脚関連の油圧システム故障が発覚し、乗員はただちに緊急事態を宣言。非常用の脚展開手順で着陸しましたが、その直後に左主脚が破損しました。左翼が滑走路を擦る形となり、数メートル引きずられた後に停止しました。
乗員は無事で、コックピット部分などにも損傷はありませんでしたが、左翼部分には大規模な修理が必要となり、当初アメリカ空軍は修理費用を約7500万ドル(約112億円)と見積もっていたようです。
しかし、レーザー寸法測定や焦点を絞った非破壊検査、試験用機体である「Test Article 0998」から複合材外板をドナー部品として転用したことなどにより、約5200万ドルの節約を実現。最終的なコストは約2370万ドル(約36億円)となったとのことです。
全ての構造修理は2025年5月12日に完了し、工期についても約9か月の短縮に成功したようです。
ちなみに、節約後であっても航空機の修理としては桁違いの高額ですが、これはB-2が極めて高価な機体であることが主な要因です。同機は部品を作るだけでも専用の治具や工程が必要で、使用されている素材も高価です。1990年代の調達コストは約22億ドル(約3200億円)とされ、「同じ重さの金塊より高価な爆撃機」とも言われています。





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