護衛艦は“24時間制”じゃない!? 乗員の体内時計が狂う理由とは?「3段ベッドの一番上が快適とは限りません」
航行中の自衛艦は前後左右、上下に揺られます。加えて、交代で当直に付かねばならないため、その洋上生活は、快適に過ごすための工夫が鍵になってきます。
艦乗りの処遇改善の一環で“カプセルホテル化”も
ところで、上段の人は落ちたりしないのでしょうか、悪天候の時は立っているのも難しい角度まで傾くこともある護衛艦。そんな状態のなか、上段で寝ている人は目が覚めてしまわないのか心配になりますが、そこは落下防止の手すりがついているので安心です。
そもそも、そんなにも揺れる艦内で眠り続けられるのかという根本の問題がありそうですが、やこさん曰くどんなに揺れていても余裕で寝られるそう。自衛隊というと「どんな状況もだいたい5日で慣れる」のが“お約束”なので、艦艇に配属されたばかりの新人隊員も、すぐに爆睡できる人が多いのだとか。人間ってスゴい。
ベッドにはカーテンも付いているので一応プライベート空間は保たれますが、最近では乗員の処遇改善からカプセルホテルのようなキャビンを備えた艦も計画されており、ますます居住性はよくなっていきそうです。
日本を守るために、遠く離れた洋上で短い睡眠と過酷な任務を続ける海上自衛官。今夜もどこかの海で、小さなベッドのカーテンをそっと閉めて眠りにつく隊員がいます。その眠りがどうか、少しでも深く温かいものになるよう、願わずにはいられません。
Writer: たいらさおり(漫画家/デザイナー)
漫画家・デザイナー。夫のやこさん、娘のみーちゃんと暮らすのんきなオタク。海自にはまってからあれよあれよと人生が変わってしまった。著書「海自オタがうっかり『中の人』と結婚した件。(秀和システム)」「北海道民のオキテ(KADOKAWA中経出版)」各シリーズ発売中。





コメント