「大空港のターミナル拡張」複数作るor一つの巨大ビルに…どっちがいい? 「将来の成田空港」と「アジア最強の乗り継ぎ空港」を比較

空港の旅客ターミナルビルは複数にするか、それとも1つに集約するか、どちらがいいのでしょうか。アジア最強格の乗り継ぎ空港「チャンギ空港」と、集約化を計画する「成田空港」、それぞれのケースを比較します。

「チャンギ方式」「成田方式」どっちがいいの?

 チャンギ空港は旅客ターミナルビルを増やし、成田空港は集約する――。まったく逆ともいえる拡張方法ですが、これは分散・集約のどちらが良いかより、滑走路を含めた空港全体のレイアウトなどそれぞれの事情から生じていると理解すべきでしょう。

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成田空港(画像:NAA)。

 チャンギ空港の第5旅客ターミナルビルは第1~4旅客ターミナルビルから離れてしまうものの、建設地区の敷地面積は現在のチャンギ空港とほぼ同じ1080ha。第1~4旅客ターミナルビルの近くよりは、離れても広い敷地で新たに建設した方がより将来の旅客数増加へ対応できると、チャンギ空港運営会社は判断したと思われます。

 成田空港は機能強化により、面積は現在の2倍近い約2300haに広がります。3本の滑走路の配置も含めた空港全体を俯瞰すると、ちょうど中央部分に第1~3旅客ターミナルビルはあるのが分かります。こうなると旅客ターミナルビルを分散するより中央部分の1棟へ集約した方が、航空会社はビルごとに分かれた入居が無くなり、乗り継ぎなどの利便性は向上すると、同空港を運営するNAA(成田国際空港)は判断したと想像できます。

 ただし、チャンギ空港は第5旅客ターミナルビルに、ジュエルのような旅客を退屈させない商業施設をどう単独で充実させるかが課題となります。一方で成田のワンターミナルもいかに免税品店やレストランといった旅客向けの施設を、ビル内に均等に配置したり、分かりやすい館内の案内を心掛けたりする策が必要になると考えられます。

 こうした空港ごとの旅客サービスは、それぞれで向上が図られた後に互いに参考とし影響し合い利便性は一層上がるでしょう。それを願うばかりです。

【画像】だいぶデカい…これが将来の「アジア有数の乗り継ぎ空港」驚愕の全貌です

Writer:

さがら せいぞう。航空月刊誌を中心に、軍民を問わず航空関係の執筆を続ける。著書に、航空自衛隊の戦闘機選定の歴史を追った「F-Xの真実」(秀和システム)がある。

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