「サンライズ瀬戸」いつもと少し違う行き先へ 実はどれくらい人が乗ってる? 「延長運転の終点」まで乗ってみた
東京~高松間の寝台特急「サンライズ瀬戸」は、2014年から週末を中心に高松~琴平間で延長運転が行われるようになりました。途中、多度津と観音寺に停車しますが、どの程度の利用があるのでしょうか。
途中で方向転換! 不思議な感覚
東京を出発した「サンライズ瀬戸」は、定刻の翌朝7時27分に高松に着きました。同駅は頭端式ホームですから、終着駅の雰囲気です。かつて運行されていた岡山~高松~徳島間の特急「うずしお」も、いったん高松駅に入ってから折り返していました。駅構内はセブンイレブンが営業しており、途中下車すれば駅構内の駅弁屋さんも利用できます。
ここでの停車時間は35分と長めです。そのため琴平に向かう乗客もホームで買い物したり記念撮影したりと、まるで観光列車のような雰囲気です。特急列車で安心して途中駅で買い物できるのは、なんとも不思議な感覚です。
ほかのホームを眺めていると、7時37分に松山行き特急「いしづち1号」が発車していきます。「サンライズ瀬戸」から松山へ向かう場合、高松~宇多津間の往復乗車券が必要になってしまいますが、高松で乗り継ぐと待ち時間が少なくて楽だと思えます。
岡山行き快速「マリンライナー12号」も見送って、8時2分に「サンライズ瀬戸」が出発します。当たり前ですが、進行方向が逆転するのがおもしろい。それまで進行方向に足を向けて眠っていましたが、頭を向けて寝ることになります。微妙な寝心地の違いを楽しみめました。個人的には進行方向に足を向けた方が、寝心地が良いと感じます。
ここからは臨時運転ですが、琴平行き普通列車1221Mを途中で追い抜くなど、速度を上げ、本格的に走り出します。8時15分頃には坂出を通過。JR四国の全特急が停車する駅を通過するのは、不思議な気分です。
8時25分、延長運転区間で最初の停車駅である多度津に到着しました。
乗降口から見た感じでは降りる乗客はいませんでした。なお、高松~多度津間の移動時間23分は、特急「いしづち」の31分よりも速いです。「いしづち」は3駅停車で「しおかぜ」との連結も行うため、無停車の「サンライズ瀬戸」が速いのは当たり前ではありますが、どこか優越感のようなものを味わえます。
多度津~琴平間は13分で、特急「南風」の9~12分よりはかかりますが「四国まんなか千年ものがたり」の15分よりは速いです。
なお、「サンライズ瀬戸」の285系電車7両は電力消費が大きいため、延長運転が行われる日は普通列車が電車から気動車に変更されます。
8時33分、善通寺駅に到着。4人が下車します。高松琴平電気鉄道(ことでん)の線路を乗り越えると8時39分、琴平に到着。同駅では上りも下りも駅舎に面した2番線に特急は停車しますが、「サンライズ瀬戸」は4番線に停車します。
琴平駅では30人を超える乗客が降りていきました。琴平駅でも記念撮影の列ができていることが、この列車の人気を示しているように感じられました。
Writer: 安藤昌季(乗りものライター)
ゲーム雑誌でゲームデザインをした経験を活かして、鉄道会社のキャラクター企画に携わるうちに、乗りものや歴史、ミリタリーの記事も書くようになった乗りものライター。著書『日本全国2万3997.8キロイラストルポ乗り歩き』など、イラスト多めで、一般人にもわかりやすい乗りもの本が持ち味。





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