「EV、エコじゃない。製造時にCO2が大量」「廃棄にも大量」そう思っている人に見せたい「指標」 ガソリン車と比較してみると

電気自動車は走行中にCO2を排出しませんが、製造過程などでのCO2排出を懸念する声もあります。じつは、そこも考慮したうえで、ガソリン車と比較した環境性能を評価する指標があります。

「資源採掘から製造、廃棄まで」も指標化される!

 もう一つのLife Cycle Assessment(LCA)とは、走行中だけではなく、「資源の採掘、自動車の製造から廃棄までのCO2排出量」を対象とします。電気自動車はエンジンの代わりにモーターで駆動し、さらにモーターに電力供給するためのバッテリーが追加されます。他にも異なる部分はありますが、追加されるという意味で一番大きな要素はバッテリーです。

 バッテリー製造時のCO2排出量については様々な研究があり、少ないものでも52kg―CO2/kWh、多いものでは173kg―CO2/kWhという結果もあります。車両によってバッテリー搭載量が異なりますが、数トンから10トン程度のCO2排出があると考えられます。

 これを、WtWで示したように走行時の削減量で回収していくこととなります。つまり、走行距離が長くなればなるほど電気自動車に有利です。

 これらを踏まえた車種ごとの比較を公開しているMIT Trancik LabによるCarboncounter.comでは、年間の走行距離など日本の実情に合わせた推計でも、ごく一部ピックアップトラックなどが燃費の優れたガソリン自動車と逆転するものがありますが、ほぼ全ての電気自動車の方が優れた結果となります。

「充電する時間帯」で評価変わる!?

 ここまで示したようにWtWとLCAを適用した場合でも、多くの場合において電気自動車の方が環境的に優れていることが分かります。これに加えて、さらに環境に良い取り組みとするためには、再生可能エネルギーの有効活用が必要不可欠です。

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火力発電所のイメージ(画像:PIXTA)

 今後も再生可能エネルギーの導入は進んでいきますが、これを有効活用するためには、再生可能エネルギーの発電に合わせた充電時間を考える必要があります。

 再生可能エネルギーの中心である太陽光発電が多いのは昼間です。導入の進んだ近年では、昼間の太陽光発電を使いきれないために「出力制御」が行われ、無駄になっている部分があります。

 家庭での電気自動車の充電は外出の後の夜間に充電することが多いですが、外出先の会社やおでかけ先で昼間に充電することで、再生可能エネルギーを有効活用することができます。そのためには、外出先の充電設備の設置が必要となり、電気自動車によるCO2削減の取組みは、単純に車両を普及させるだけでなく、充電設備と一体となった計画が求められます。

【実は出てます】これが「車種ごとのトータルのCO2排出量」です(画像)

Writer:

大学における研究成果の社会実装を目的に、電動バスや燃料電池車両の開発から、各地の地方自治体でそれらを活用した地域公共交通の計画策定や、地域が主体となったコミュニティ交通導入を実施。

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