「暗い室内」は過去の話 日本を守る21世紀の防空システム「ジャッジ」、その姿とは

映画などで描かれる、軍隊の司令官が詰める『指揮所』というと、とにかく暗いイメージがあるのではないでしょうか。かつてはリアルだったそうした描写、今後は変わってくるかもしれません。現場を取り仕切る現役の空自司令官に、指揮所の最新事情を聞きました。

「弾道ミサイル防衛」のリアルな姿とは

 航空自衛隊において最も重要なネットワークの中核となる防空システム「ジャッジ」は、かつての「バッジ」に比べ「ガラケーとスマホほどの違いがある」(荒木司令(当時))といいます。

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SOC/DCを中心とし、レーダーサイト、早期警戒機などを結ぶ防空システム「ジャッジ(JADGE)」のイメージ(画像出典:航空自衛隊)。

「ジャッジ」とは、司令部として機能するSOC/DCを中心とし、レーダーサイト、早期警戒機、地対空ミサイル、戦闘機に加えて、陸上自衛隊の地対空ミサイルや海上自衛隊の艦船をデジタルネットワークで結ぶ処理システムであり、前述した4つの方面隊もネットワーク化されています。そこには、自動処理によって、日本の領空とその周辺を飛行する全ての航空機の航跡に関する情報が集約され、領空に接近する国籍不明機を監視し、航空自衛隊の戦闘機を発進させ、所要の措置を行うという一連の過程について表示が可能です。

「ジャッジ」にはもうひとつ、重要な役割があります。「弾道ミサイル防衛」です。ミサイル防衛は、南西航空混成団の上部組織である「航空総隊」が指揮を行っています。

「弾道ミサイル対処に関しては、私自身が直接、何かをするということはありません。全ての情報は、弾道ミサイル防衛に係る指揮官を務める横田基地(東京都)の航空総隊司令官のもとに集約され、そこで判断を行います。弾道ミサイルは航空機の10倍にも達するマッハ10近くで飛んでくるので、仮に北朝鮮から飛んでくるとすれば、対処時間は10分あるかないかです。よって迎撃ミサイルを撃てる時間というのも、わずかしかありません。ですから、あらかじめ手順が決められており、システムがほぼオートで動いていきます。よほど『これは違うから撃つな』ですとか、事前にある程度決めている物事以外は、基本的に人間は介在しません」(南西航空混成団司令 荒木空将(当時))

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