警察官じゃない!?「制限速度」を決めているのは誰? 120キロ解禁の裏にある「実勢速度」とは
ドライブ中に気になる道路の制限速度。「なんでここは40キロなんだ」と疑問に思うこともあります。実はこれを決めているのは、現場の警察官ではありません。では、いったい誰なのでしょうか。
「120キロ道路」が生まれた納得の理由
速度を決める際に重視されるのが、カーブの大きさなどの「道路構造」や、過去の「事故発生状況」、そして「実勢速度」というデータです。
実勢速度とは、実際にその道路を走っているクルマのスピードです。
規制基準では「85パーセンタイル速度」という考え方が用いられています。これは、その道路を走るクルマの85%が含まれるスピード、すなわち「大多数のドライバーが安全だと感じて自然に出している速度」を基準にするというものです。
かつては「速度を下げれば事故は減る」という考え方が主流でした。しかし近年は、実態に合わない厳しすぎる規制は、かえって無理な追い越しや急ブレーキを誘発し危険であるため、実勢速度に合わせて規制を見直すほうが安全だという考え方にシフトしています。
この考え方が具現化したのが、新東名高速道路などで実現した「最高速度120km/h」の区間です。
新東名は、もともと設計速度120km/hで作られた高規格な道路でしたが、当初は法律通りの100km/hに抑えられていました。しかし、警察庁が試行運用を行った結果、120km/hに引き上げても死傷事故の件数に大きな変化はないことが確認されました。
道路の実力とドライバーの感覚に見合ったルールに変えることで、ストレスの少ないスムーズな交通を実現したのです。
ただし、120km/h区間でも大型トラックなどの最高速度は90km/h(2024年4月に80km/hから引き上げ)に制限されています。速度差が大きくなるため、遅い車は左車線を走行するという「キープレフト」の原則がより重要になります。
制限速度は、単なる取り締まりの道具ではなく、みんなが安全に走れるための「共通言語」のようなものです。
もちろん「120km/h出せる」というのは、条件が良い時の上限であり、出さなきゃいけないわけではありません。最終的な安全のアクセルをコントロールするのは、ドライバーである私たち自身なのは、言うまでもないでしょう。





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