いよいよ船も「水素」の時代へ! 国内初“重油混ぜ”タグボート完成 “水素だけ”フェリーも目前! 立ちはだかる「供給どうするの問題」も解決へ!?

国内初の水素混焼エンジン搭載タグボート「天歐」が完成。今後は水素を燃料にするフェリーも登場します。同時に供給も課題となっている水素は、今後、“海”でどう活用されていくのでしょうか。

アブラと一緒に燃やしてCO2削減も! 水素“混焼”エンジンにしたワケ

 日本財団が推進する「ゼロエミッション船プロジェクト」の一環として開発が行われていた国内初の水素混焼エンジン搭載タグボート「天歐(てんおう)」が2026年1月14日、関係者などに公開されました。同船の開発に参画しているジャパンハイドロの神原満夫社長は「ゼロエミッション船の建造に加えて、洋上の水素供給インフラの普及も重要なピースだ」と述べ、バンカリングバージやフェリーなど水素燃料の普及拡大に取り組んでいくことを強調しています。

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国内初の水素混焼エンジン搭載タグボート「天歐」(深水千翔撮影)

「天歐」は4400 馬力級のタグボートとして、2025年10月に竣工しました。総トン数は287トンで、全長は約38m。速力は14.3 ノット、曳航力は前進56トン、後進50.4トンです。

 同船の最大の特長は、従来のタグボートと同等の運航性能を確保した水素燃料タグボートであること。水素混焼エンジンと大容量の高圧水素ガス貯蔵・供給システムを搭載しており、重油(A重油)に水素を混ぜて燃やすことにより、化石燃料だけを使用するタグボートと比べてCO2(二酸化炭素)排出量を約60%、削減することができます。

 開発は常石グループ傘下の神原汽船、ツネイシクラフト&ファシリティーズとベルギー海運大手CMBグループによる合弁会社であるジャパンハイドロを代表としたコンソーシアムが手掛け、常石造船常石工場(広島県福山市)で建造が行われました。

 主機には、CMBテックとエンジンメーカーのアングロ・ベルギー・コーポレーション(ABC)が共同で設立した合弁会社「BeHydro」のV型12気筒 4ストローク水素混焼エンジン「12DZD H2」が採用されました。同エンジンは水素混焼だけでなく、従来燃料のみを使用した運転も可能で、水素燃料が不足した場合でもオペレーションを止めることなく運航を続けられます。

 また、報道公開に先立つ2025年12月24日には、バイオディーゼル燃料と水素の混焼による、GHG(温室効果ガス)を排出しないゼロエミッション航行に、「天歐」は世界で初めて成功しています。

 日本財団の海野光行常務理事は「港湾物流を支えるタグボートでゼロカーボン航行を実現したということは、最もCO2 削減が難しいと言われている港の現場における脱炭素化に道を開く画期的なこと」と高く評価しました。

「カーボンニュートラルポートを実現するためには、全国で400隻あるタグボートをいかに変えていくかが大きな課題。『天歐』でその先陣を切ることができればと思っている」(日本財団 海野理事)

【マジで!?】これが「浮かぶ水素ステーション」「水素フェリー」です!

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