JR北海道だけではない、ローカル線廃止の危機

利用者数減少、列車減便の悪循環

 芸備線・東城~備後落合間の乗客は少ないようです。これは筆者(杉山淳一:鉄道ライター)も乗車して実感しました。2016年7月の平日、同区間を走る備後落合駅14時37分発の新見行きに乗ったときは10人ほどの乗客でした。しかし、2016年12月の土曜日、備後落合駅20時12分発の新見行きの乗客は私だけでした。筆者がいなければ乗客ゼロです。しかし、これは理由があるようです。

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夜の備後落合駅。ここで降りた多くの人々は、バイクや迎えのクルマで先へ進む(2016年12月、杉山淳一撮影)。

 筆者はこの日、三次から新見へ向かおうとしていました。三次駅から備後落合行きの列車は20人ほどの乗客がありました。途中の駅で半数が降りて、10人ほどの乗客が備後落合駅に到着しました。しかし、この先、備後落合駅から新見駅へ行く列車は1時間半後です。筆者以外のすべての乗客が、駅に停めたバイクや迎えのクルマで去って行きました。

 ワンマン運転の列車の運転士さんによると「かつては多くの列車が直通、または備後落合駅で接続しました。乗客も乗り継いでくれましたし、木次線との乗り換えもあるので賑わいました。駅のホームに立ち食いそば屋もありました」とのこと。

 しかしいまは接続が不便で、お客さんが乗りたくても列車がありません。

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コメント

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11件のコメント

  1. 芸備線、木次線とも、以前は山道の峠越えをしなければならない位、並行する道路は難所でした。
    ところがトンネル、バイパス化、ループ橋などで、道路の方が格段にアクセスが便利になっており、周辺の環境も大きく変化している点も見逃せません。

  2. 確かに、バスは乗り場がわかりづらい。。。アウェイの人にとっては特に。
    乗り場をわかりやすくして、駅のように待合所があって、スマホとかで接近状況がわかるようにすれば断然違うだろう。。。鉄道を廃止するのはやむをえないだろうが、廃止した分、フォローはしっかりしていただきたい。

  3. 民営化されてしまえば当然の結果。国鉄なら赤字でも税金投入(補填)で路線維持出来ても民間企業では収益最優先になり、場合によっては公共インフラだと言う事も2の次になり兼ねない筈。
    民営化推進の自民党政権を多くの国民が支持している実情は、公共交通網の衰退・破壊も望んでいる国民が多いとの現れでしょ?

  4. バスの乗り場が解らないのはバス会社の怠慢です。
    そういった事もせず、「赤字ですから廃止です」なんて言う理由を認めてはいけない。
    乗り場については法令で義務付ければ良いだけなんです。

    鉄道が無くなって困るって言う人は、その原因を考えて下さいね。
    小泉や自民党が簡単に廃止に出来るように制度を変えたからですよ。
    無くなって困る人は投票しなければ良いだけの話ですね。

  5. 国鉄時代の方が赤字路線の廃止に容赦が無かったのに何を言ってるんですか

  6. 廃線は時代の流れで仕方がないと思う。私の街の鉄道(江差線)も50年前は始発から混雑して、座る席もなかったが廃線が決まる数年前には乗客は激減し私一人の貸切状態の日もあった。代替えバスもガラガラである。車の普及に加え、人口が激減しているのだからどうしようもない。

  7. 「鉄道の廃止は(中略)地域の未来も失いかねません。」って、鉄道があれば明るい未来があるとでも?
    先日部分廃止となった留萌線沿線の増毛町は、鉄道があったのに30年で人口半減、中学卒業者数1/4減、鉄道利用者1/10減ですよ。
    鉄道がなくなると地域が衰退するのではなく、地域が衰退すると鉄道が廃止になるのです。
    因果関係を逆にすると、辻褄が合いません。

  8. 公共交通機関の利便性が悪くて使いづらいのと同時に、生活が節約志向になっていて、わざわざ料金を払って公共交通機関を使うことに抵抗があるかも知れません。料金を払って高速道路を使うことに抵抗があるのと同じです。

  9. 車の普及に加えて、節約志向()など様々な要因があるからね。

  10. 線路がつながっていてもダイヤがつながっていなければ鉄道の利用価値はない。
    スジ屋の怠慢。備後落合に列車が着いた時点で乗り継ぎ列車が数分前に出てしまっていて次まで数時間
    ないとかふざけている。
    東城・備後落合間でも東城どまりの列車を備後落合まで延伸させれば列車線をつなぐことができるのにわざとそうしていない。