約130年の歴史に幕「造船の横須賀」 日産工場の隣の住重造船所で“最終船” ただどう見ても「まだフネ作る気マンマン」なワケ

住友重機械工業グループが横須賀造船所で建造する一般商船の最終船を引き渡しました。今後は需要増が見込まれる洋上風力発電関連の船舶などに特化する方針ですが、どう見ても、「造船はまだ続ける」雰囲気です。

新規受注は停止した「はず」だけど…

 最終船となった「ARION」の建造に携わった技師の平本和弘さんは「やはり日本で作る船は丁寧で、色々な機器の性能や使い勝手も全然違う。特に当社で建造する船はトップ。どこよりも良いという自負がある」と胸を張ります。

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引き渡しが行われた最終船「ARION」(深水千翔撮影)

 住友重機械マリンエンジニアリングのアフラマックスタンカーは国内外から高い評価を得ていました。しかし、船価の変動と鋼材や資機材価格の高騰に加え、中国や韓国の造船所も同じ船種に参入したことで競争環境が悪化。受注隻数を制限し、建造隻数も年3隻まで絞って体制の見直しを試みたものの、2024年2月に商船の新造船事業から撤退を表明し、新規受注を停止しました。

 平本さんは「当社が商船を建造しなくなると、東京湾内で大型商船を造るヤードがなくなってしまう」と語り、「政府の方針で造船業を盛り上げていくことが掲げられているが、ドックの数は限られている上、他社も手持ち工事が数年先まで埋まっているところがある。そういった中で建造隻数を増やしていくことは難しいので、もしお役に立てればと思っている」と話していました。

 新造船需要は世界的に伸びており、国内造船各社は成約を積み重ね、手持ち工事量は3年分を確保しています。さらに、米トランプ政権の方針で中国建造船への風当たりが強まる中、政府が10年間で官民合わせて1兆円規模の投資実現を目指すロードマップを策定するなど、建造能力を大幅に引き上げる機運が高まっています。

 住重グループでの商船事業の復活について舛谷本部長は「今のところ方針としてはない」としつつ、造船業の再生に向けた取り組みについて「ブロックの供給などでサポートしていきたい」と話します。実際、同社は“大型の鉄鋼構造物”としてFPSO(浮体式石油生産・貯蔵・積み出し設備)の一部や、アフラマックスタンカーの船体など複数の案件を成約しました。

【なんというデカさ…】これが横須賀造船所「最後の貨物船」です!(写真)

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