約130年の歴史に幕「造船の横須賀」 日産工場の隣の住重造船所で“最終船” ただどう見ても「まだフネ作る気マンマン」なワケ

住友重機械工業グループが横須賀造船所で建造する一般商船の最終船を引き渡しました。今後は需要増が見込まれる洋上風力発電関連の船舶などに特化する方針ですが、どう見ても、「造船はまだ続ける」雰囲気です。

新規受注は停止した「はず」だけど…

 最終船となった「ARION」の建造に携わった技師の平本和弘さんは「やはり日本で作る船は丁寧で、色々な機器の性能や使い勝手も全然違う。特に当社で建造する船はトップ。どこよりも良いという自負がある」と胸を張ります。

Large 20260129 01

拡大画像

引き渡しが行われた最終船「ARION」(深水千翔撮影)

 住友重機械マリンエンジニアリングのアフラマックスタンカーは国内外から高い評価を得ていました。しかし、船価の変動と鋼材や資機材価格の高騰に加え、中国や韓国の造船所も同じ船種に参入したことで競争環境が悪化。受注隻数を制限し、建造隻数も年3隻まで絞って体制の見直しを試みたものの、2024年2月に商船の新造船事業から撤退を表明し、新規受注を停止しました。

 平本さんは「当社が商船を建造しなくなると、東京湾内で大型商船を造るヤードがなくなってしまう」と語り、「政府の方針で造船業を盛り上げていくことが掲げられているが、ドックの数は限られている上、他社も手持ち工事が数年先まで埋まっているところがある。そういった中で建造隻数を増やしていくことは難しいので、もしお役に立てればと思っている」と話していました。

 新造船需要は世界的に伸びており、国内造船各社は成約を積み重ね、手持ち工事量は3年分を確保しています。さらに、米トランプ政権の方針で中国建造船への風当たりが強まる中、政府が10年間で官民合わせて1兆円規模の投資実現を目指すロードマップを策定するなど、建造能力を大幅に引き上げる機運が高まっています。

 住重グループでの商船事業の復活について舛谷本部長は「今のところ方針としてはない」としつつ、造船業の再生に向けた取り組みについて「ブロックの供給などでサポートしていきたい」と話します。実際、同社は“大型の鉄鋼構造物”としてFPSO(浮体式石油生産・貯蔵・積み出し設備)の一部や、アフラマックスタンカーの船体など複数の案件を成約しました。

【なんというデカさ…】これが横須賀造船所「最後の貨物船」です!(写真)

最新記事

コメント

記事ランキング

  1. 「USB挿しっぱ」でクルマが“故障”する? 三菱公式の投稿にSNS騒然 「一体ナゼ?」「これマジで起きるよ」
  2. 都市に迫るロシア軍の「弾道ミサイル」が“空中で木っ端みじん”になる瞬間をウクライナ軍が公開 追尾から撃墜まで詳細に
  3. 海自艦がロシア海軍の「超静かな潜水艦」を確認!浮上航行する姿を捉えた画像を防衛省が公開
  4. 海自潜水艦 アメリカ海軍の“歴戦の揚陸艦”を標的に魚雷発射! 実弾演習で巨大な水柱があがる瞬間を公開
  5. 旅客機の右エンジンに「侵入者」が直撃! 離陸直後に“炎が吹き出す”戦慄映像が公開される
  1. 家族が「SSSS航空券」を引き当ててしまった…! 乗る前から“異変” 保安検査員も「Oh…」 誰でも起こり得る“緊迫の一部始終”
  2. ETCの手前で「ガシャン!」高速入口に吊るされた「黄色い鎖」の正体は? 傷つく覚悟で“あえてぶつける”超アナログな理由
  3. あと1年足らずで「現金でバス乗れなくなります」 全路線“完全キャッシュレス化”疑問に応えるサイト開設 京王バス
  4. ロシア軍の爆撃機が「真っ逆さまに墜落」 地上に激突する瞬間を捉えた映像が公開 “巨大な黒煙”が立ち上る
  5. 航行中の護衛艦「かが」の周辺に「巨大な海洋生物」が出現! 艦艇勤務ならではの光景を海自公式が公開