約130年の歴史に幕「造船の横須賀」 日産工場の隣の住重造船所で“最終船” ただどう見ても「まだフネ作る気マンマン」なワケ
住友重機械工業グループが横須賀造船所で建造する一般商船の最終船を引き渡しました。今後は需要増が見込まれる洋上風力発電関連の船舶などに特化する方針ですが、どう見ても、「造船はまだ続ける」雰囲気です。
実はかなり「手持ちのお仕事」アリ
FPSOは2025年5月に三井海洋開発(MODEC)から前側3分の2程度を受注しました。完工後は中国へ曳航し、中遠海運重工(COSCOシッピング・ヘビー・インダストリー)で後半部分と上部構造をインテグレート(統合)して完成させます。
さらに9月には今治造船と日本シップヤード(NSY)が丸紅の協力を得てギリシャ船主から受注したアフラマックスタンカー2隻の船体建造を、住重横須賀造船で行うことを明らかにしました。1隻目は2027年、2隻目は2028年の竣工を予定しています。
これらに加えて広島商船高等専門学校(広島県大崎上島町)向けの練習船1隻を受注しています。住重グループが練習船を建造するのは海技教育機構の「青雲丸」以来。同船はIHIMU呉で1997年に竣工した既存の「広島丸」(234総トン)の後継に当たり、2027年3月までに納入される予定です。
舛谷本部長は、洋上風力の作業船を中心とした特殊船の建造を手掛けていく方針を示したうえで、「現在の受注残は2028年の2月まで。これまでは1番船を造り込んで連続建造に展開してきたが、これからはDX(デジタルトランスフォーメーション)を進め、3DCAD(コンピューター支援設計システム)などで事前に造り込んで1隻目から市場効果を出していければと思っている」と話していました。
洋上風力発電の関連船舶については、比較的大きめのSOV(サービス・オペレーション・ベッセル)やクレーン船、モジュール船を対象としてあげており、住友重機械マリンエンジニアリングが独自に手掛ける作業船が登場する可能性があります。このように住重グループの造船事業は、時代の流れとともに新たなフェーズへと入りました。
Writer: 深水千翔(海事ライター)
1988年生まれ。大学卒業後、防衛専門紙を経て日本海事新聞社の記者として造船所や舶用メーカー、防衛関連の取材を担当。現在はフリーランスの記者として活動中。





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