まるで永田町の「自民党バイパス」!? 未成の都市計画道路、そのまま廃止か? “あとちょっとで拡幅できそう”なのになぜ?

東京都の新たな都市計画道路の整備方針案では、優先整備路線とともに、廃止候補となっている未着手路線もあります。その一つは日本の政治の中心、永田町に計画されたものです。なぜ廃止となるのでしょうか。

「ナゾの空き地」の正体とは?

 あと少しだけ用地を確保すれば完成できそうな「補助21号線」。これがなぜ廃止候補になったのでしょうか。東京都の街路計画課は次のように話します。

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フェンスに囲まれた空き地がある参議院議員会館裏。ここも補助21号線の予定地。右は日比谷高校。地下には東京メトロ南北線が通っている(乗りものニュース編集部撮影)

「今回は、1日6000台以上の交通量があるか、火災時の延焼遮断機能があるか、緊急時の避難経路として有効か、といった10の条件をもとに、各都市計画道路について必要性の検証を行いました。その10条件の一つにも〇がつかなかった(当てはまらなかった)ものを、廃止候補の路線として挙げています」

 確かに、補助21号線の周辺に住む人は多いとは言えず、旧永田町小学校が1993年という段階で廃止になるほどです。周りは広い道路に囲まれ、住居が密集しているわけでもなく、延焼遮断や避難経路を目的に整備する必要性もないのかもしれません。

 今後は2026年度以降、本当に廃止すべきかの検討を千代田区が中心となって進め、都市計画変更を行って、正式に計画廃止になるといいます。しかし、すでに大部分が確保されていると思われる道路用地はどうなるのでしょうか。

 その点を千代田区景観・都市計画課に聞くと、「計画廃止となった場合は、建築制限が解除されます。未確保の用地も、所有権は元の所有者にあります」としたうえで、「あのフェンスに囲まれた空き地は議員会館の敷地ですから、国の所有です」と話しました。

 フェンスに囲まれた土地の東側には、衆議院の第二議員会館と参議院議員会館が立っていますが、インターネットの航空写真で変遷を追うと、空き地の場所はもともとこれら議員会館の駐車場の車路になっていました。現在の議員会館は2012年に建て替えられたもの。その際、都市計画道路にかかる部分は建築制限があるため、更地になっていたわけです。

 国有地であるため、都市計画道路が正式に廃止となっても、空き地にすぐ建物などが立つとは考えられません。ただ、途中の風景は若干変わるかもしれません。1993年の廃校から32年も手つかずとなっていた旧永田町小学校の取り壊しが2025年に決定し、2027年にも解体着手となる見込みだからです。

 ちなみに千代田区によると、補助21号線が計画されている永田町2丁目は戦前、住宅と高級料亭が立ち並ぶ閑静なエリアだったそうです。しかし、1945年5月の空襲で永田町小学校や現在の日比谷高校の講堂などを残して灰燼に帰し、風景が一変したといいます。周辺は官庁街・ビジネス街として変貌したものの、わずかに民家も残る補助21号線の周りは、戦前の閑静な雰囲気をどことなく感じられるかもしれません。

【たしかにナゾ…】これが廃止されそうな「自民党バイパス」です(地図/写真)

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